【那須雪崩事故】30回目の誕生日が初盆に

「息子の記憶を残したい」栃木・毛塚優甫さんの両親、回想文依頼

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毛塚優甫さんの両親が初盆の見舞客に手渡す手紙。供養のお礼と、優甫さんとの思い出を記してほしい、とつづられている

 那須町で3月、登山講習中の雪崩事故で犠牲になった大田原高の生徒、教員計8人の遺族は13日、初盆を迎える。「息子の記憶をしっかりと残したい」…。同校教員で山岳部第3顧問の毛塚優甫(けつかゆうすけ)さん(29)を失った父辰幸(たつゆき)さん(65)、母愛子(あいこ)さん(60)=栃木市都賀町=は、見舞客に思い出を書き記してほしいとお願いする。15日は優甫さんの30回目の誕生日。楽しいはずの記念日に、かけがえのない家族がいない。

 念願の教職に就き、4月から1年生の担任となる矢先の事故だった。両親は「息子がどのように生き、どのように友だちと関わり、どう思われていたのか。どんな些細(ささい)なことでも知りたい」との思いを強くした。

 初盆の見舞客と向き合って思い出話を聞きたかったが、時間に余裕がないことが予想され、回想文を依頼する手紙を渡すことにした。「皆さんの中に残る記憶を私たちも共有し、息子の記憶をしっかりと残しておきたいのです」。思いをつづった手紙に、返信封筒と原稿用紙を添えた。

 優甫さんが大田原市内の下宿で使っていた椅子などを持ち帰った両親。「息子の匂いが次第になくなっていく。薄れゆく記憶の中、生きていた証をとどめたい」。優甫さんが書きためた小説やイラストと共に、寄せてもらった思い出の文章を、冊子にしたいと思っている。

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