今もお祭りに参加する江戸時代の山車人形 衣装を修復して後世へ

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山車人形「武田信玄」について解説する坂本宮司=10日
八戸三社大祭で運行された山車人形「太公望」=1日

 国の重要無形民俗文化財・八戸三社大祭で法霊山〓(おがみ)神社の行列に登場する江戸時代制作の山車人形を後世に残していくため、同神社などは本年度から、人形に着せる衣装の修復または複製制作に乗り出す。同神社の坂本守正宮司は「良い状態で後世に残し、昔の山車の様子を知ってもらいたい」と話している。※〓の「おがみ」は雨かんむりと「龍」の間に「口」が横にみっつ

 人形は「武田信玄」「太公望」の2体。祭りの度に趣向を凝らして作り変える現在の山車の前身に当たる「人形山車」の姿形を今に伝える貴重な資料だが、歳月とともに布などの傷みが激しく、保存の在り方が課題になっていた。

 市教委社会教育課によると武田信玄は1802(享和2)年、太公望は12(文化9)年に作られた可能性がある。三社大祭関連で現存する山車人形の中では最古級で、市文化財にも指定されている。

 同神社が商家から譲り受け長く保管・展示していたが、2002年に人形を乗せて運行できる屋台が作られたのをきっかけに、1年おきに1体ずつ祭りに引き出してきた。現在、三社大祭で運行されている人形山車はこの2体のみ。

 人形は運行の際、祭りの度に組み立てて衣装を着せ直すため、刺しゅうのほつれや布の破れ、綿の飛び出しなどが目立っている。

 修復・複製は文化庁の補助事業を活用し、市と共に行う方針。市は20日に専門家を招き、調査を実施。衣装の状況を確かめ修復するか、複製を作るか判断する。顔や体など木製部分はそのまま使用する。事業完了時期は未定。

 三社大祭は21年に、祭りが始まった1721年から300年を迎える。坂本宮司は「節目の年に新しい衣装が間に合えば」と話している。

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