地蔵盆、なぜ京都で発展? ルーツ異なる住民結集

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身近な地蔵盆の歴史を解説する村上准教授(京都市中京区・丸善京都本店)

 京都の夏の風物詩「地蔵盆」の歴史を実地調査で探った本「京都 地蔵盆の歴史」(法蔵館)を刊行した奈良大の村上紀夫准教授(日本文化史)のトークイベントが12日、京都市中京区の丸善京都本店で開かれた。

 村上さんは、京都市内にはコンビニや郵便ポストの数より「お地蔵さん」が多いことを紹介した上で「なぜ京都で地蔵盆が発展したのか、これまで歴史的な研究はなかった」と調査の動機を語った。

 地蔵盆は、もともと地蔵会(え)や地蔵祭と呼ばれ、17世紀半ばには存在していたことを文献とともに紹介。豊臣秀吉の御土居造築などをきっかけに都市化が進んだ京都で「ルーツの異なる住民同士が結集する装置として地蔵盆が発展した」と解説した。

 現在のような福引でおもちゃや日用品を配る風習が広まった背景には「明治時代のコレラの流行で、供え物の飲食が禁止されたため」といい、「地域のお地蔵さんは、約400年にわたって都市の変化を眺めてきた」と話した。

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