育成選手からブルペンの救世主に…ホークス左腕モイネロが打たれないワケ

育成出身のキューバ人左腕が、なくてはならない存在となっている。ソフトバンクのリバン・モイネロ投手。今季途中に育成選手として獲得したWBCキューバ代表左腕が、リーグ優勝を占う終盤戦に来て、ソフトバンクのリリーフ陣にとって重要な存在にまで急浮上している。

ソフトバンクのリバン・モイネロ【写真:藤浦一都】

左キラーからセットアッパー、ロングリリーフと何でもござれ

 育成出身のキューバ人左腕が、なくてはならない存在となっている。ソフトバンクのリバン・モイネロ投手。今季途中に育成選手として獲得したWBCキューバ代表左腕が、リーグ優勝を占う終盤戦に来て、ソフトバンクのリリーフ陣にとって重要な存在にまで急浮上している。

 5月23日に入団会見を行い、そこから1か月足らずで支配下契約を勝ち取った左腕。6月16日に1軍に初昇格すると、一足飛びにその立ち位置を上げてきてた。8月5日の西武戦(メットライフ)では1点を勝ち越した10回裏に登板し、来日初セーブをマーク。12日の日本ハム戦(ヤフオクD)では1点差で迎えた8回2死、大谷翔平を迎えたところでマウンドに上がると、3球連続チェンジアップで3球三振に斬って取った。

 ここまで17試合に投げて2勝1敗4ホールド1セーブ、防御率2.18の数字を残す。勝ちゲームで1イニングを任すセットアッパーとしてだけでなく、12日の日本ハム戦のように左キラーとして、そして3試合で2イニング以上を投げているようにロングリリーフとしても起用でき、状況、役割を問わない働きぶりはチームにとって、有難い限りだろう。

モイネロの特長は「チェンジアップ」と「制球力」

 まだ21歳のモイネロ。身長178センチ、体重69キロと、外国人選手としては身体は小柄で細身だ。この左腕のどこが秀でているのだろうか。

 普段バッテリーを組むソフトバンクの甲斐は、左腕の特徴をこう語る。「チェンジアップじゃないですかね。あれは武器ですね」と、12日に大谷を3球三振に取った変化球を挙げた。「チェンジアップでも腕を振ってのチェンジアップ。ストレートと同じ腕の振りで投げられますよね」。しっかりと腕が振れるため、打者にとっては、見分けがつきにくく、タイミングを崩されやすいのだという。

 それに加えて「左打者、右打者問わず、両サイドに投げ分けられるんです。コントロールもいいですね」と制球力にも優れているのだという。ストレートは150キロ前後をマークする。身体は細身だが、体全体を使って上から投げ下ろすフォームから繰り出されるまっすぐは「上からパチンッて叩いているので力強い」と、一見しただけでは分からない力強さもある。

 元DeNAで、現在はMLBアストロズに在籍するユリエスキ・グリエルが、現在キューバで1番いい投手と評していたモイネロ。守護神のサファテをはじめ、岩嵜翔や森唯斗、嘉弥真新也といった中継ぎ陣が登板過多となっている現状にあって、このキューバ人左腕の存在は頼もしい。つい2か月前まで背番号「143」を背負っていたモイネロは、今、ソフトバンクのブルペン陣の救世主になっている。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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