クラレ、高収益スペシャリティ化学会社を目指して今期見通し上方修正

画像

 クラレは9日、2017年12月期の上半期(1-6月)実績を発表し、併せて今期見通しを上方修正した。クラレは1926年最先端技術である人造絹糸レーヨンを企業化する目的で設立され、1950年に初の国産合成繊維“ビニロン”の工業化に成功した。

 その後高分子・合成技術をベースにした高機能繊維、樹脂、化成品分野へと発展し、最近では中期計画の中で、「世界に存在感を示す高収益スペシャリティ化学会社」を目指すとしている。クラレの高収益スペシャリティ化学会社に向けての動きを見てみよう。

■上半期(1-6月)実績と今期(2017年12月期)見通し  実績は売上高2,513億円(前年比103%)、営業利益375億円(同108%)で営業利益率は14.9%となった。

 今期見通しについては、売上高は当初計画通り5,300億円(前年比109%)とし、営業利益は当初計画に対して50億円増益の過去最高益となる750億円(同111%)で、営業利益率は14.2%としている。

 クラレは高収益スペシャリティ化学会社を目指しており、開発した製品がすぐ売り上げに結び付くわけではなく、開発した技術を製品に結び付ける設備投資をし、それをどのように利用するかをユーザー企業とすり合わせながら収益につなげている。主な事業別の進め方を中期的に見てみよう。

■主な事業別の動向  1.ビニールアセテート事業:今期営業利益見込み635億円(前年比109%、構成比85%)

 クラレ収益の85%を占めるコア事業として着実に増強してきた。2013年にデュポン社のビニールアセテート事業を買収し、欧州、米州、アジアで生産拠点を拡充。2012年に買収した水溶性ホバールフィルム(世界シェア80%)製造のモノソール社には増設投資。欧州PVB樹脂に増設投資し、世界シェア65%でガスバリア性のあるエバール樹脂も増産する。

 2.イソプレン事業:同85億円(同123%、同11%)

 香粧品、医薬品などのファインケミカル事業の拡大を目指す。液状ゴム、接着剤原料、タイヤ用途などのエラストマー事業では採用を拡大。耐熱性・耐薬品性で携帯電話などの電子部品、LED光源の反射材、自動車分野にも用途拡大中のジェネスタ事業にも注力。

 3.機能材料事業:同65億円(同144%、同9%)

 メタクリル樹脂、人工大理石、CDやDVDの原盤スタンバーなどのメタアクリル事業の用途を開発。歯科材料、骨補てん材などのメディカル事業のラインアップを充実させ、人工皮革で世界のトップメーカーとしてクラリーノ事業で世界各地域での加工拠点の充実も図る。

 これらの事業は技術的にもどんどん改良され、新しい用途の開発、生産方法の改善が世界的規模で行われており、高収益スペシャリティ化学会社を目指すクラレの動きを今後注視していきたい。

あなたにおすすめ