ライアン・マーフィ制作4本:「ヴェルサーチの殺人は防げた。無駄な死を招いた理解のない社会の問題だ。」

ライアン・マーフィーが、FXの夏のパネルディスカッションに出席して、『アメリカン・クライム・ストーリー』のシーズン2・3に関して熱いトークを展開。また、FOXの新シリーズ『9-1-1』についてもご紹介します。

『ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺事件』の真の問題は、社会の”同性愛嫌悪”が引き起こした

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LOS ANGELES, CA - AUGUST 09: (L-R) Actors Ricky Martin, Darren Criss, and Edgar Ramirez of 'The Assassination of Gianni Versace: American Crime Story' speak onstage during the FX portion of the 2017 Summer Television Critics Association Press...

FXのパネルディスカッションに参加した、ライアン・マーフィーを始め『アメリカン・クライム・ストーリー:ヴェルサーチ暗殺事件』のキャストたち。

そこで語られた『アメリカン・クライム・ストーリー』が伝えたい真の目的とは…
記者たちと、深い議論を交わしたライアン・マーフィーが語ったのは、とても考えさせられる内容です。

『ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺事件』について

『O・J・シンプソン事件』に続くシーズン2は、より大きな社会的問題を描いているんだ。
何故なら、ジャンニ・ヴェルサーチは死ぬ必要などなかったからだよ。
当時の社会や警察の”同性愛者に対する嫌悪”が、無駄な死を招いてしまったんだ。

犯人のアンドリュー・クナナンは、FBIの指名手配リストのトップにいたにもかかわらず、アメリカを縦断して4人を殺害し、最後にヴェルサーチだ。
当時、マイアミ警察がクナナンの手配写真を掲示するのを拒否したのも問題だ。
それも、同性愛者という理由でだ。

ヴェルサーチが殺害された理由を考えるより、起こってしまうのが許されてたのが問題だ。
防げた事件のはずだ。

同性愛者に対する嫌悪は、『O・J・シンプソン事件』での人種問題のように、今でも深刻な問題だよ。
特に、今の大統領について考えるとわかるだろう?

タイトルに「殺人」ではなく「暗殺」という言葉を使っているのは、意図的だよ。

暗殺という言葉は、政治的なニュアンスを持っていると思う。
それは、何かを証明するために他人の人生を奪った人を意味し、クナナンがやったことだと思う。
ここでは、”同性愛者”というのがその「何か」ということだ。

あまりにも偏見が多すぎるんだよ。
人種問題も同性愛に対する問題も、今でも社会では大きな問題だ。

「時間を逆行する形のストーリー展開になる」

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MIAMI, FL - MAY 09: Actor Edgar Ramirez plays Gianni Versace filmimg American crime story on May 9, 2017 in Miami Beach, Florida. (Photo by Gustavo Caballero/GC Images)

当時、ゲイであることをカミングアウトしている人は少なく、その1人がヴェルサーチでした。
このドラマの基になっているモーリーン・オースの著書、「Vulgar Favors」にもあるように、人々は低俗な興味だけを話題にしていました。
根拠もないのに「ヴェルサーチは、HIV感染者だった。」といったような噂が流れたものです。

パネルディスカッションでは、ヴェルサーチとその家族の気持ち、特にブランドを相続した妹のドナテラについての話題が多く出たようです。

ペネロペ・クルスは出席していませんでしたが、エドガー・ラミレス、リッキー・マーティン、ダレン・クリスが出席。

リッキー・マーティンは、アントニオ・ダミコと話をしたそうです。
アントニオ・ダミコは、自身のファッションブランドを経営しており、今年、20年の沈黙を破ってメディアのインタビューに答えています。

ドラマは、ヴェルサーチの殺人事件から始まって、逆行して展開していきます。

マーフィーは、「幸運なことに、マイアミのヴェルサーチの家(現在はホテル)で撮影できるんだ。彼の寝室、クローゼット、全てが素晴らしいよ。
彼は、非常に重要な文化人物だった。
私はそれをいつも賞賛していた。彼を見上げて、彼のインタビューをした時は、とても誇りに思い、興奮したよ。当時は、彼らのようにオープンな生活を送れる人は少なかったんだ。」

オープニングはとても感傷的だった。
暗殺は撃つのが難しく、私たちは彼が死んだときのステップで正確にするようにした。
彼は特別で、彼に敬意を表しました。彼だけでなく、多くの点で忘れられて話されていない犠牲者すべてに…」

全10話構成のドラマは、2018年初旬の放送が予定。
モーリーン・オースの著書のフルタイトルは「Vulgar Favors: Andrew Cunanan, Gianni Versace, and the Largest Failed Manhunt in U.S. History」になります。

ライアン・マーフィーのドラマに賭ける意気込み、本当に社会に訴えたいという思いが伝わるディスカッションでした。

『カトリーナ』はサラ・ポールソン

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NEW YORK, NY - JUNE 11: Actress Sarah Paulson attends the 71st Annual Tony Awards at Radio City Music Hall on June 11, 2017 in New York City. (Photo by Jim Spellman/WireImage)

シーズン3に延期となった『アメリカン・クライム・ストーリー:カトリーナ』は、ピューリッツァー賞受賞者のシェリ・フィンクの「メモリアル病院の5日間 生か死か―ハリケーンで破壊された病院に隠された真実 」(Five Days At Memorial)に基いて制作されるとのことです。

原作者のフィンク氏もプロジェクトに参加を希望しており、ニューオーリンズのメモリアル・メディカルセンターでのハリケーンカトリーナの後遺症、ポウ医師が率いる医療スタッフによる決定で、重病患者を安楽死させたことを問題として提起。

サラ・ポールソンは、ポウ医師役。それ以外のキャストは、未定。

延期になったのは、「カトリーナ」の後遺症のどの部分を取り上げるのかに時間がかかり、結局「メモリアル病院の5日間」のストーリーにより再出発となったようです。

「メモリアル病院の5日間」は、日本語訳も出版されています。
事前に、一読されてはいかがでしょうか。

FOX『9−1−1』は、ピータ・クラウスとアンジェラ・バセット

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THE CATCH - 'The Bad Girl' - The AVI team digs deep into Margot's past to uncover the truth about who is set on destroying the Kensington Firm. Meanwhile, Ben's plans for his future with Alice are more complicated than he ever imagined, on 'The...

『9−1−1』とは、文字通りアメリカの「緊急通報用電話番号(警察・消防・救急)」です。

今年の5月にオーダーされていたもので、ゆっくりとですがプロジェクトは進んでいるようです。
ドラマは、『ER』のスタイルで、911のオペレーターについて描く予定です。

ライアン・マーフィーには、いろいろ温めているプロジェクトがあるようで、『9−1−1』は一番新しく決定したドラマです。

FOXは、マーフィーとの『スクリーム・クィーンズ』を公式にはキャンセルしていません。
また、『アメリカン・ホラー・ストーリー』『アメリカン・クライム・ストーリー』『フュード』そしてFXでの『Pose』を抱えています。

『Pose』は、1986年のニューヨーク、バブル時代、トランプの華やかな時代を描く予定です。

多忙を極めるライアン・マーフィーですが、久しぶりにニュースが入ってきて、楽しみに待ってる方には一安心といったところでしょうか。

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