車で霊迎える「精霊車」 遊佐、旧八幡地区

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 ご先祖様、この車で帰ってきてね−。遊佐町と酒田市八幡地区の各一部で、お盆に死者の霊を迎えるためミニカーをつるす「精霊車(しょうりょうしゃ)」という風習が続いている。お盆の入りの13日、各家の軒下には色とりどりの“愛車”が並んだ。

 町クラシックカー愛好会会長で行政書士の佐々木正紀さん(68)=同町豊岡=によると、発祥は昭和40年代ごろ。その頃から「精霊馬(うま)」の原料となるマコモが不足し「ご先祖様の帰ってくる足がない」と、ミニカーをつり下げたことが始まりという。車社会が進み、マイカーが普及した時代背景を反映したともいえる。

 車種や色はさまざまで、佐々木さんが住む上大内集落でも三村弥四郎さん(71)宅は愛称ケンメリの赤の日産スカイライン、佐藤幸一さん(69)宅は青のトヨタセドリックなど。ブリキ製が多く、千〜2千円ほどだった価値が今では10倍以上というお宝もある。

 旧暦の七夕前に飾り、お盆が終わる16日にしまうのが通例。青のトヨペットクラウンデラックスをつるした佐々木さんは「他の盆飾りと同じように大事にしてきた。子や孫にも引き継いでいきたい」と話した。

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