北朝鮮、国際電話ができるSIMカードの販売と取り締まりを同時に行う謎

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韓国の国家情報院の発表によると、現在、北朝鮮で使われている携帯電話の数は470万台。4〜5人に1人は持っている計算となり、依然として世界最少レベルとは言え、猛烈な勢いで増加している。

北朝鮮の携帯電話の特徴は、海外への通話が一切できないことだ。当局が、海外からの情報の流入、海外への情報の流出を極端に嫌がっているからだ。ところが、北朝鮮の携帯電話の中にも国際電話がかけられるものがあり、これを使って海外に通話する人が増えている。

当局は取り締まりを行っているが、同時にそれに逆行することも行っている。

平壌のデイリーNK内部情報筋によると、取り締まりの対象となっているのは、北朝鮮第1の携帯電話会社、コリョリンクの一部のSIMカードだ。これを携帯電話に差して識別番号の191を押すと、すべてではないが国際通話ができてしまう。

このSIMカードは、北朝鮮に長期滞在する外国人向けに2011年に販売されたものだが、国境地域では海外に通話できるとの理由で取り締まりの対象となり、売られていたものはすべて没収された。

ところが、今でも闇で大々的に売られている。

それもそのはず、禁止されているのは地方だけで、平壌では規制されていないからだ。中国とビジネスのために連絡を取る人が多いというのが規制されない理由だが、平壌で買ったSIMカードを地方に持ち出すなど、子どもでもできることだ。

これではわざわざ取り締まる意味がないように見えるが、保衛省(秘密警察)の立場からするとそうでもない。

使用を見逃す見返りに、ユーザーからワイロをもらえるからだ。

SIMカードを2枚以上用意し、取り締まりされそうになれば別のSIMカードに取り替える人も少なくないと言う。

ちなみに、昨年発売されたスマートフォン、アリラン151にはSIMロックがかかっているようで、コリョリンクのSIMカードは使えないようになっているが、ロックを外してしまえば問題なく使えるようになる。

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