強打・明豊打線に「逃げない」投球

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力投した坂井先発の吉川大翔=甲子園

 【全国高校野球選手権大会2回戦・坂井6―7明豊(大分)】

 初めての聖地は苦しいマウンドだった。坂井の左腕吉川大翔は明豊打線を相手に粘り強く投げたが、15安打7失点。八回には逆転2ランを浴び「ピンチで抑えられなかった」と肩を落とした。

 序盤は大胆に内角を突き、打たせて取る投球を展開した。「思った以上に球速が出てなくて、本来の投球とは程遠かったが、気持ちで放ってくれた」と川村忠義監督。七回を除き毎回走者を背負い、悪いなりに七回まで4失点でしのいだ。

 味方が2点を勝ち越した直後の八回。「みんなに助けてもらった後だったから、これ以上点はやらない」と気合を入れた。1点を失い2死二塁でそれまで2安打2打点の3番浜田太貴を迎えた。

 「うちのモットーは『逃げない』。敬遠は考えなかった」と川村監督。カウント1―1からの3球目だった。「外を狙った直球が甘く入った」と吉川。左翼席に飛び込む逆転2ランを浴び打球の行方をぼうぜんと見るしかなかった。

 福井大会5試合で防御率0・86。精神的にも成長を続け、夏の甲子園に導いた背番号1は「校歌を歌いたかった」と悔しさをにじませたが、これまで叱咤(しった)激励を続けてきた川村監督は「向こうの打線が素晴らしかった。堂々と投げ切ってくれた吉川には感謝したい」とねぎらった。

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