【SBS杯】名門・ヴェルディユースが誇る超逸材、藤本寛也の「スマートな頭脳」

 U-18日本代表が8月13日、SBSカップ国際ユース大会でU-18チェコ代表と対戦し、2-1で勝利。1試合目のU-18チリ代表戦に1-2で敗れ、2試合目の静岡ユースとの試合も0-1で敗戦していた日本代表は、1勝2敗の3位で大会を終えた。
 
「世界大会を戦っていくうえで、もっとやらなきゃいけないというのは実感しています。チェコとチリは1年前と、2年前にちょうどやっているんですけど、(チェコは2016年8月のバツラフ・イェジェク国際ユーストーナメント、チリは2015年6月インターナショナルドリームカップで対戦)。その時はどちらも勝てたんですけど、今回チリとやってみても、その時とは身体の大きさが全然違うし、速さもかなりあった。この年代になると外国人はグッと身体能力が上がるので、そういう部分でちょっと飲み込まれてしまいました……」
 
 10番を背負った藤本寛也は3試合目のチェコ戦後、今大会をこう振り返った。
 
 18歳ともなると、ガッシリとした肉付きになり大人と比べても大差のない体格になる。外国人はとくに顕著だ。その差に対応するため、藤本は「球際や切り替えのところは日本人が勝てる部分。そこをもっと強度を高めていくことが重要だと今回感じました」と語った。
 
 藤本は東京Vのアカデミーで育ち、各年代の代表に名を連ねるエリート。繊細なボールタッチと優れたパスセンスを備えるレフティMFだが、こうした明晰な分析力も特長のひとつだ。
 
 俗にいう「サッカーIQ」の高さは、プレーにも表われている。
 
 チェコ戦では、ともにボランチでコンビを組んだ伊藤洋輝(磐田U-18)とともに、中盤で巧みにゲームメイク。左右のサイドにボールを散らしながら、機を見て鋭い縦パスを入れ、攻撃にリズムをもたらした。
 
 そのパスワークのなかでとりわけ目を引いたのが、ポジショニングだ。味方と的確な距離をとり、かつタイミング良く顔を出し、ボールを引き出すと、少ないタッチ数でサイドに展開する。巧みな位置取りで流麗なパスワークを生み出した。

「FWに縦パスを入れて、ボランチかサイドハーフがさらに落としてもらって、また展開する。3人目の選手を含めた動きはこのチームのコンセプトでもあります」

 チェコ戦では、まさに中盤と前線が絡みながら素早く相手を崩すシーンが何度か見られた。チームコンセプトである素早いパスワークが展開される度に会場では拍手が起きていた。藤本も「今大会で対戦した3チームは中を締めてきたので、サイドが空いていました。どんどんボールを動かして相手を揺さぶることはできました」と攻撃面で手応えを得ているようだ。
 
 しかし課題は守備面だという。
「周りとの連係や切り替えの遅さの問題があった。いつもなら中盤で獲られた瞬間に全員で連動して、素早く潰せていたんですけど、今回の3試合はそれがうまく出来なくて、カウンターを受けたり、背後に蹴られてしまうシーンが多かった。もっと切り替えを早くして、潰せるようにすれば、相手も嫌がると思うので、そこは意識してやりたい」
 
 今年1月からU-18代表を率いる影山雅永監督のサッカーを体現し、明確な課題を見つけ出せる藤本は、早くもチームに不可欠な存在になりつつある。各年代で10番を背負ってきたのも頷ける。
 
 才気溢れる超逸材から目が離せない。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

あなたにおすすめ