【川崎】阿部浩之が決めれば負けない! その不敗確率が驚異的な数字に

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 97%という数字を見れば、誰もがそれを”ほぼ確実”と見なし安心感を覚えるだろう。そんなこの数値は何かというと、“阿部浩之がゴールを決めたリーグ戦の試合で負けない確率”である。

【PHOTO】川崎が首位・鹿島に3発快勝! 
 
 9戦負けなしの鹿島に対して、川崎は今節久々の黒星を付けたが、その2点目を奪った背番号8は、キャリアハイを更新するシーズン9点目を記録。そして、彼が得点をマークすれば、チームは上に記したような高い勝率をキープしているのである。
 
 2012年に関西学院大学からG大阪へ加入し、2014年には3冠を達成した経歴を持つ。そんなタイトルの味を知る男がこれまでのキャリアで重ねてきた得点数は、この日の得点も含めると30だ。アタッカーとしてこれまでの5年半ほどのプロ人生で重ねてきたものと考えれば少ないかもしれない。ただ、G大阪ではサイドハーフの位置で守備に重きをおいていたことを考えれば十分な貢献度と言えるだろう。
 
 その30得点を27試合で積み重ねてきたのだが、うち26試合は勝利か引き分けであり、敗戦はわずかに1つだ。しかも敗戦はJ2時代のものであり、ことJ1に限れば無敗である。
 
 そんな記録を継続させた阿部が放った2点目は彼の持つ技術の結晶だった。1-0でリードを迎えた後半開始早々、エウシーニョが右サイドを突破して中央の登里へ。登里が右足で丁寧に落とすと、ボックス内右斜めから左足インサイドで丁寧にゴールへ流し込こんだ。
「左のほうが打ちやすい入り方でしたし、落ち着いて打つことができました。いいシュートだったと思います」と自画自賛するほどのファインゴールであった。
 
 アシストをした登里も「やっぱうまいですね、シュートが。抜群です。どこからでもいける」と賛辞を送るように、阿部のシュートセンスはリーグでも屈指なものだ。先述したようにG大阪時代は数字的には目立つ結果を残せなかったが、シュート技術の高さは随所に証明していた。そういう意味では、チャンスメーカーが多く攻撃的な川崎でFWを任されれば、ゴール数の上昇とともに97%というハイアベレージも必然だったのかもしれない。
 関西学院大学時代からそのシュート技術には非凡なものがあり、4年時にはリーグ戦で得点王の座に輝いた。ちなみにその年にアシスト王になったのが、東京Vに所属する梶川諒太なのだが、「阿部のところにボールが入れば得点してくれていたので。2人で引っ張っていったという感じではないです。シュートは本当に上手かったですからね」と阿部について振り返っていた。
 
 そんな梶川が言う「阿部のところにボールが入れば得点をしてくれる」という信頼感は、この川崎というチームでも生まれつつある。登里は“決めてくれる”安心感をも口にしていた。
 
「攻撃の選手が攻撃をしたいというのは当たり前で、僕は、点を取りたいというのを強く思っていた」
 
 入団当初、阿部はこう移籍の理由を口にしていたが、その願いは間違いなく現実のものとなっている。大きな充実感を持ってプレーする背番号8は、今の川崎になくてはならない存在だ。
 
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)

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