紛争 震災 心の傷と向き合う 医師の桑山さん訴え ユニセフが仙台で講座

紛争地帯での自身の活動を紹介する映像を背景に、自作の歌を披露する桑山さん

 宮城県ユニセフ協会主催の国際理解講座が仙台市内であり、発展途上国で医療に従事してきたNPO法人「地球のステージ」代表理事の心療内科医、桑山紀彦さん(54)=神奈川県海老名市=が講師を務めた。桑山さんは紛争地帯や東日本大震災の被災地などでの取り組みを紹介。つらい境遇にある人々の心の傷と向き合い続ける大切さを語った。

 桑山さんは、地球のステージがイスラエルとの衝突が続くヨルダン川西岸のパレスチナ自治区で3月から子どもたちの心のケアに当たっていることを報告。

 現地の映像を流しながら「お互いの正義が合わなくても共存の糸口を見つけるため、その間に入ることのできる人間になりたい」と力を込め、平和を願う自作の歌を披露した。

 震災当時、名取市でクリニックを開業していた桑山さんは津波で家族を亡くした同市閖上の遺族の語り部活動にも協力している。

 復興が進むにつれて震災遺構が失われていく現状を憂慮し「津波の記憶を整理しないまま忘れようとすると、人は立ち直ることができず前に進めない」と指摘。聴講した市民ら約300人に活動への息長い支援を呼び掛けた。

 桑山さんと親交のある県ユニセフ協会の五十嵐栄子事務局長(64)は「人はどんな状況でも強く生きようとするパワーを持っているのだということを、彼の話はいつも気付かせてくれる」と述べた。

 講座は青葉区の仙台市福祉プラザで5日に開かれた。

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