長崎空港⇒海外 利用促進企画

 長崎空港から海外に出発する日本人旅行者(アウトバウンド)の増加を図ろうと、日本旅行業協会(JATA)長崎支部に加盟する旅行会社13社は、長崎と国際線で結ばれる上海、ソウル行きの旅行商品を共同で企画し、今月上旬から販売を始めた。県国際観光振興室によると、JATAの枠組みで商品を共同企画するのは全国的にも珍しく、県内では初めて。

 長崎空港発着の国際線は中国東方航空の上海線が週2便、格安航空会社(LCC)のエアソウルのソウル線が週3便運航している。ビザ(査証)の発給要件緩和などによる訪日外国人観光客増加を受け、外国人の利用者が増える一方、日本人の利用は低迷している。2016年度の利用実績は、上海線で1万2768人のうち外国人が9115人と約7割を占め、ソウル線では2万2235人のうち外国人が2万601人と9割以上となっている。

 同室によると、2月に実施した県民アンケートでは両路線とも認知度が4割程度にとどまった。今回の共同企画では、13社が同じ商品を販売することから国際線を使った商品が客の目に留まりやすくなり、同室は「まずは知ってもらうことが重要」と期待する。

 旅行商品は、上海行き、ソウル行きともに添乗員付きとフリープランのそれぞれ2商品を企画した。上海行きは4日間の旅程で添乗員付きが3万9900円、フリープランが3万4800円。ソウル行きは3日間の旅程で添乗員付きが3万9800円~5万4800円、フリープランが1万9500円~5万4500円。

 県空港活性化推進協議会(会長・中村法道知事)が広告などのPR費用を助成する計画で、320人への販売を目指している。

© 株式会社長崎新聞社