花にも命、99回目の供養 技術発展へ生産者ら焼香

 江戸時代からの花の生産地として知られる神奈川県川崎市宮前区の馬絹地区で17日、99回目の「花供養祭」が開かれた。生産者らが花の霊を慰めるとともに、今後の栽培技術発展を誓った。JAセレサ川崎花卉(かき)部馬絹支部の主催。

 泉福寺に原修一組合長や生産者ら約50人が参列し、浮岳堯仁住職らによる読経の後、順番に焼香。境内にある「花供養塔」に線香を手向けた。

 佐々木祥教支部長は「今年は暖冬、梅雨の少雨と続き、畑が砂漠のようになり、生産者にとっては苦労の連続だった。供養祭も来年100回目を迎えるが、今後も技術の向上に協力をお願いしたい」と話した。

 1963年8月17日に「花にも命があり、命を頂くのであるから、花に感謝し、永く花の霊を供養する」として供養塔が建立されて以降、供養祭は毎年この日に行われるようになったという。

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