親子でトンネル探検 洪水対策の五反田川放水路

 台風などによる洪水対策として建設中の「五反田川放水路」(川崎市多摩区)の夏休み親子見学会が17、18の両日、初めて開かれ、小学生ら約80人が地下60メートルの大トンネルを“探検”した。

 同区生田の工事現場で、参加者は直径約21メートルの巨大な立て坑から仮設階段を使って気温17度の地底へ。トンネルを掘るシールド工法の説明を受けた後、多摩川まで続く、長さ約2キロの真っ暗なトンネル(内径約8メートル)に懐中電灯を持って入り、約300メートルほど歩いて見学した。地上では、高所作業車の試乗やショベルカーの運転体験なども行われた。

 市立宿河原小6年の角内崇應君(11)は「近い所にこんなに大きなトンネルがあるのを知らなかった。トンネル内は涼しくて楽しい」と話していた。

 五反田川では台風や集中豪雨で1976年には約1800戸、94年に18戸が浸水する被害が起きている。このため、同放水路は同川から多摩川までを地下トンネルで結んで、洪水の危険がある際は、毎秒最大150トンの水量を流す仕組み。1時間雨量90ミリの雨にも対応し、流域の約7100戸の浸水被害を防ぐ。97年に着工し2020年度に完成する予定。

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