石木ダム工事 再開できず

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は18日、約3週間ぶりに付け替え道路工事の再開を試みたが、反対地権者の抗議を受け、再開できなかった。

 県は現場で抗議を続ける反対派と話し合うため、7月末から道路工事を中断。その間、知事との面会を求める反対派と2度にわたって交渉したが、17日の協議で決裂。18日からの工事再開を通告していた。

 午前8時40分ごろ、県職員と作業員計16人が現場へ入ろうとしたが、反対派約40人が阻止。反対派は前日の交渉決裂を受け「知事が私たちと向き合わなければ始まらない」などと訴え、県職員らはいったん引き揚げた。午後も反対派の抵抗に遭い、県側はこの日の再開を断念した。

 県石木ダム建設事務所の有吉正敏所長は取材に「(双方に)けが人を出さないように工事を粛々と進めていく」と強調。今後について、安全確保のため、人の少ない夜間や休日に資機材を搬入する可能性を否定しなかった。

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