当時の資料で蘇る出島の姿

 11月の出島表門橋の供用開始を記念する企画展「出島橋と表門橋」が18日、長崎市出島町の国史跡「出島和蘭商館跡」内にある筆者蘭人部屋と十六番蔵で始まった。江戸時代の出島橋が写る古写真などの資料30点が並ぶ。10月15日まで。

 長崎市主催。市や長崎大付属図書館、長崎歴史文化博物館所蔵の資料などを展示している。

 会場では、出島に住んでいたオランダ人のボードイン兄弟が1865年ごろに撮影した古写真(同図書館所蔵)などを公開。出島から対岸の江戸町を望む風景写真の中に、明治中期ごろまで存在した石造りの出島橋が写された貴重な1枚も含まれている。

 表門の門番が出島に出入りした日本人の名前や時間などを記録した江戸時代の日誌も展示。江戸町の紋章「タコノマクラ」が描かれた江戸時代の散蓮華(ちりれんげ)が初公開されている。

 開会セレモニー後、招待された約20人が市の学芸員の解説を聞きながら出島の歴史に触れた。留学先の長崎大で出島について学んでいるドイツ人のトーマス・シュテルツさん(29)は「古い資料を見れば今の出島との違いが分かるので勉強になった」と話した。

 企画展は観覧無料だが、出島の入場料に大人510円、高校生200円、小中学生100円が必要。

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