白洋舎に聞いた! 夏服をお手入れする豆知識

クリーニングのプロに、目から鱗の小技を聞くことができました、早速チェックしてみてください。

夏物衣類のお手入れの小技

白洋舎に、汗のついた衣服のお手入れや、コットンシャツの正しい洗濯の仕方、ゆかたの洗い方など、夏服のお手入れの豆知識を7つ伺いました。

1.汗が付いた衣服のお手入れ

夏に多くかく汗は無色透明なので、着用後、一度乾いてしまうと気にならなくなりますが、時間が経つと黄ばみになったり、染料を変化させて衣類が変色してしまうこともあります。なので、汗は付いたらなるべく早くお洗濯をして落としましょう。家庭洗濯ができない衣類の場合、着用後、汗が付いた襟元やワキ付近を、水を含ませて硬く絞ったタオルでたたき、ハンガーにかけて日陰の風通しの良いところで乾かすだけでもだいぶ違います。家庭洗濯は難しくても、クリーニング店であれば水洗いできるものや、汗をしっかり落とすクリーニングコースがあるお店もあるので、困ったら信頼できるクリーニング店に相談してみましょう。

2.リネン以外のカジュアル系のコットンシャツの洗い方

洗濯機に入れる前に、まずはシャツの汚れをチェックしてください。汚れやしみが気になる場合は、予備洗いをします。予備洗いの仕方は、石鹸または襟汚れ用洗剤を汚れの強い部分に塗ります。食べこぼしのしみの場合には、食器洗い用の洗剤を使うとよいでしょう。予備洗いが済んだら、洗濯機で洗いましょう。お湯(40度程度)と弱アルカリ性洗剤を使うと、汚れがよく落ちます。白シャツで全体のくすみが気になる場合は、衣類用の漂白剤を入れるのもいいでしょう。

3.Tシャツやポロシャツの正しい洗い方

Tシャツやポロシャツは、意外とよれよれになりがちなので、洗濯の際、気を付けたいものです。洗濯物は、洗濯機の表示された容量の7~8割程度にしましょう。入れすぎると、汚れ落ちが悪くなり、イヤなにおいを発生させることがありますので注意してください。また、ネットを上手に活用するのも得策です。毛羽立ちやすいコットンとポリエステルの混紡素材のTシャツやウールポロは、毛玉ができやすいので、洗濯の際に、目の細かい柔らかいネットに入れると、毛玉の発生を防げます。また、ネイビーやブラックなど色の濃い衣類は、裏返して洗いましょう。洗濯中のスレによって生地が白っぽく見えるのを防いでくれます。干すときも裏返したまま、日陰で干しましょう。紫外線による日焼けも色あせの原因です。

4.部屋干しのニオイ対策

雨の日や、住環境の事情で、外に洗濯物が干せず、部屋干しをする際の注意点をお伝えします。部屋干しをすると、イヤなニオイが発生することがあります。これは、残留した汚れに雑菌が繁殖するためです。ニオイの発生を防ぐためには、汚れをしっかり落とし、早く乾かす必要があります。汚れ落ちをよくするには、40度程度のお湯で洗う、すすぎに残り湯を使わない、などがポイントです。

5.水で洗えないスーツの襟周りの皮脂汚れの落とし方

皮脂の汚れは水では落ちないので、乾いた布に少量のベンジンを含ませて拭きます。ベンジンは30分程度で揮発するので、乾いたら水で固く絞った布やタオルで汗ジミをしっかり拭き取ります。ベンジンは薬局などで手に入ります。

6.夏物衣類の保管について

夏物をしまう前には、必ず洗濯、もしくはクリーニングをしましょう。汗ジミが残っていると黄ばみの原因になります。また、一度だけ着用したものでも意外と汚れており、カビや虫食いの原因になることも。

また、収納ケース内に衣類をしまうときは、一番上に絹・カシミア製品、真ん中にウール・化繊製品、一番下に綿・麻製品の順にしまいましょう。湿気は下にたまりやすいので、デリケートなものを上の方へ、湿気に強いものを下の方にしたほうが良いのです。クリーニングから帰ってきた品物を保管する時は、必ずビニールを外しましょう。ビニールはあくまでホコリ避け。長期保管時にそのままにすると湿気・カビの原因になります。最近はクリーニングしたものを次のシーズンまで預かってくれる保管サービス等もありますので、上手に活用してください。

7.ゆかたの手洗い方法

ゆかたの取扱い絵表示が、洗濯機や手洗いマークでしたら、ご家庭でも洗濯することができます。手洗いの前には、必ず色落ちチェックをしてください。白いタオルなどを水に濡らし、目立たない箇所をトントンと軽くたたきます。万が一色が移った場合は、信頼できるクリーニング店へ、色落ちがしやすい旨を伝えて、出すことをおすすめします。

手洗いの方法は、次の通りです。まず、桶の大きさに合わせてきちんと畳み、30分程度水に浸します。汗は自然に水の中に出るので、洗剤を使わなくてよいです。次に、手で軽く押し洗いをしましょう。新しい水で2~3回繰り返してください。次に、ゆかたを畳んだままネットに入れ、15秒程度、軽く脱水機をかけてください。最後に、和装ハンガーに掛け、手でパンパンとたたいてシワを伸ばして、陰干ししてください。

(文:遠藤 友香)

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