諫早御手水観音で浮立奉納

 諫早市御手水(おちょうず)町の御手水観音で20日、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願う大祭があり、住民が伝統の浮立(ふりゅう)を奉納し、田畑を潤す水の恵みに感謝した。

 御手水観音は、古くから山岳仏教の霊場として知られる。参道沿いの岩肌に刻まれた「磨崖仏(まがいぶつ)群」は市指定文化財。巨大な岩の間から清らかな水が勢いよく流れ落ち、夏場は涼を求める市民らでにぎわう。

 大祭は西長田地区5町が毎年開いている。今年の当番町を務める西里町(松竹恭貴自治会長)の住民約160人が浮立を奉納した。豊作を願う女性たちの歌と踊りに始まり、赤い衣装で鬼の面を着けた子どもたちが小太鼓を打ちながら踊りを披露。かねや笛の音色に合わせ、男性たちが力強く太鼓を打ち鳴らした。

 市立長田小6年の北村一晴君(11)は「練習の成果を出せるように、絶対失敗しないと思って踊った」と話した。

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