「とろろ昆布」でダイエット! 効果的な方法と注意点は?

「とろろ昆布」の栄養成分やダイエットの効果的な実践方法を紹介すると同時に、食べ過ぎると体に及ぼす問題点なども解説していきます。

栄養価に注目!「とろろ昆布ダイエット」とは

「とろろ昆布ダイエット」はカロリーの摂取量を抑えるダイエットとして、女性タレントが実践し、かつて注目されたダイエット方法です。

ここでは、お汁やうどんに入れて旨味を出すアイテムとして人気の「とろろ昆布」のダイエットに効果的な栄養成分を解説しながら、効率よくダイエットを行う方法をご紹介。同時に、「とろろ昆布ダイエット」に伴う注意事項にも触れていきたいと思います。

とろろ昆布が持つ、ダイエット向けの栄養・効能

「とろろ昆布」には、水溶性食物繊維に含まれるアルギン酸とフコイダンが豊富に含まれており、これらが小腸で脂肪や糖分を抱え込み、吸収されないまま体外に排出してくれる特徴を持っています。つまり、「とろろ昆布」はダイエットの大敵である脂肪分や糖分の摂取を抑える=太りにくい体質に導いてくれるというわけです。

■アルギン酸

海藻成分で水に溶ける水溶性食物繊維。昆布やわかめなど海藻類の細胞間物質に含まれているゼリー状の多糖類で、海藻のぬめり成分を構成しています。

アルギン酸はカリウムと結びついており、腸内でカリウムを放出することでナトリウムを吸着して体内での吸収を防ぐことから、高血圧の予防、血中コレステロールの抑制作用、血糖値の上昇抑制作用、便秘解消、動脈硬化の予防などの効果が期待できます。

■フコイダン

海藻に含まれるヌルヌル成分で多糖類です。この多糖類は、コレステロールや中性脂肪、血糖値の低下、肝障害の改善、抗がん作用、ピロリ菌の抑制、抗アレルギー作用などを改善してくれる大変優れた成分です。

その他にも「とろろ昆布」には、ヨード、カリウム、カルシウム、ビタミンB群と体に良い栄養素が含まれています。中でもカルシウムは牛乳の何倍も含まれているという優秀な食材です。

さらに「とろろ昆布」について特筆すべきは、極薄に削られている点にあります! 細胞が細かく削られていることで成分の吸収効率が良く、食物繊維を普通の昆布よりも多く摂取することが可能になります。特に、中性脂肪値の上昇を抑えるとされる水溶性食物繊維を体内に取り入れやすくなるので、ダイエットだけでなく健康維持のためにも効果的に作用するというわけです。

また、「とろろ昆布」は体の中に入ると水分で膨張するため、早く満腹感が得られることから食べる量を自然に抑える効果も期待できます。「とろろ昆布」を食べ続けることで、便秘が解消された、髪の毛がつやつやになった、肌の艶が良くなったといった美容効果も報告されているようです。

とろろ昆布ダイエットの効果的な実践方法

「とろろ昆布ダイエット」のやり方は1日に約10gを食事と共に食べるだけ。先にもお話したように、「とろろ昆布」には糖質や脂質の吸収を抑える効果があるので、食後に摂取しても意味がないことに注意してください。

ダイエットに効果的なのは、水分と一緒に摂取する方法。満腹感が増します。例えば、お汁に入れる、麺類に乗せる等が挙げられます。また、ご飯の上に乗せたり、おにぎりの海苔代わりに「とろろ昆布」で包んだり、納豆やパスタのトッピングにしても◎。その他、おやつ代わりにそのまま食べる等、毎日約10gずつ食べ続けるようにしましょう。

「とろろ昆布」は、安価で入手できることや、調理が不要で手軽に食べられるのも利点。「とろろ昆布」のレシピを色々考えれば、順調にダイエットも続けられそうですね!?

とろろ昆布ダイエットの注意点

一方で「とろろ昆布」に含まれてているヨードには注意が必要です。ヨードは海藻類に沢山含まれている成分で、海藻類をよく食べる日本人は基本的にヨードの摂取量が足りているといわれています。

米国基準ではあるものの、ヨードの摂取量の基準は0.5~0.8mgが適正なのですが、日本人は昆布だしなどからの摂取も多く、約1.5mgほど摂取しているそうです。よって、ダイエットに向いているからといってむやみやたらに摂るのは考えもの!

ヨードを摂りすぎると甲状腺機能低下症という病気になる可能性が高いといわれており、甲状腺機能低下症になると、髪が抜けやすい、太る、むくむ、便秘になる、集中力が無くなるといった症状が現れます。

「とろろ昆布」にはヨードが豊富に含まれているので、甲状腺疾患のある方は、医師に相談することをお勧めします。

ダイエットの基本であり成功の秘訣は、バランスの取れた食事と適当な運動、そして規則正しい生活習慣にあるので、「とろろ昆布」のみを食べ続けるような無理なダイエットは絶対に止めましょう!

(文:和田 清香(ダイエット・ボディケアガイド))

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