「ラピュタの道」廃止検討 阿蘇市、復旧費100億円超重荷

熊本地震で山腹崩壊などが相次ぎ、阿蘇市が廃止を検討している市道狩尾幹線=昨年10月

 熊本県阿蘇市は22日、「天空の道」「ラピュタの道」などと呼ばれ観光客に人気だった市道狩尾幹線(延長5・8キロ)の廃止を検討していることを明らかにした。熊本地震などで大きな被害を受け、多額の復旧費に対する市の負担が重荷になるとして、国の災害査定申請を見送った。

 阿蘇五岳を望む絶景が近年注目を集める同路線は、市西部の河陰阿蘇線と北外輪山大津線(通称・ミルクロード)の両県道を結ぶ。地震とその後の大雨で山腹崩壊や道路の亀裂、のり面崩落などが31カ所発生し、全面通行止めとなっている。

 市によると、復旧には工事用道路の新設や斜面を安定させる大規模工事が必要で、事業費は100億円を超える見込み。補助率の高い激甚災害の適用を受けても、市の負担は十数億円になるという。

 同路線は地震前から毎年のように災害が起きており、市は将来負担も考慮して国の災害査定を受けないことを決定。事実上、復旧を断念した。

 市は「地元の牧野組合員らが利用し、観光道路としても脚光を浴びていて残念だが、現実的に復旧は困難」と説明。ただ、国は地震に伴い阿蘇地域での土砂災害防止事業を直轄で行うことを検討しており、同事業で復旧できないか要望する考えも示した。

 同路線沿いのツツジの名所「長寿ケ丘公園」付近で起きた幅約100メートル、長さ約240メートルの山腹崩壊については、県が来年度に治山工事を実施予定。完了すれば、麓から同公園までの約2キロは通行できるようになる。(岡本幸浩)

トピック平成28年熊本地震