動きだす美術館構想 相模原市、民間から計画案募集

 神奈川県相模原市は橋本駅周辺に建設を計画している市立美術館について、民間企業から整備計画案を募集する。市は民間の大型複合ビルに美術館が入居する形での整備も可能とし、工期や金額、「市学芸員による直営」など前提条件の具体案を提示。企業からの提案は市の計画策定の参考にする。相模原駅周辺と橋本駅周辺の2館整備を目指す市の美術館構想が動きだした。

 美術館建設が計画されているのは、市の芸術体験講座などが行われている施設「アートラボはしもと」(緑区大山町)がある市有地約3600平方メートル。現施設の撤去費用を含めて市の負担額は5億円以内で、美術品の展示ではなく体験講座などの教育普及部門を置き、事務室機能を備えることが条件という。土地の所有権移転はせず、2022年4月の開館を希望している。

 単独・複合施設であるかは問わないが、民間施設を併設する場合は、ホールや映画館などの「文化芸術関連が望ましい」としている。

 市文化振興課は「美術館スペースを除いて、9千平方メートル以上の商業またはオフィス施設の建設が可能。民間の知恵と活力により、有効かつ高度な土地利用を図りたい。施設整備を先行させるが、運営手法の提案も歓迎する」としている。

 自治体が民間のアイデアを探ることを主眼にしたサウンディング型市場調査で、市内では2例目。応募は事業主体として参加可能なことが前提で「市が単独で建てる可能性を排除するわけではないが、民間活力を導入してより良い手法を模索する」という。

 22日にアートラボで行った事前説明会には6社が出席した。調査参加申し込みは、28〜31日に受け付け。提案結果公表は10月末の予定で「順調に進めばそれを基に方向性を定めた上で19年度に設計者の選定作業。20年度に契約して22年春に開館するのが最短コース」としている。詳細は市ホームページか文化振興課電話042(769)8202。

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