新上五島に「美食ホテル」

 飲食店や宿泊施設運営業の「際(きわ)コーポレーション」(東京)と新上五島町などは29日、長崎市内で記者会見し、来年7月に同町で開業を予定しているリゾートホテルの概要を発表した。温浴施設を併設し、地元の食材を生かした料理を提供する「美食のホテル」を目指す。

 リゾートホテルは老朽化に伴い昨年3月に閉鎖した町営奈良尾温泉センターを改修。際コーポレーションを中心に、同町、十八銀行、経営コンサルタント会社のドーガン(福岡市)が連携して今月設立した新会社「五島アイランドリゾート」が運営する。

 客室は29室。収容人数は約70人。1泊2万~2万5千円を想定している。ホテルの名称、外観と内装は検討中。総事業費は約7億円。新上五島町には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つ、「頭ケ島の集落」があり、来年夏の世界遺産登録を見据えて需要が見込めると判断した。

 新上五島町は住民やホテル利用者を対象にした温浴施設をホテル隣に建設する。9月に着工し、来年3月完成を目指す。ホテルと温浴施設の土地、建物は同町が無償貸与。十八銀はドーガンと協力し、「元気な長崎応援ファンド」を活用した出資を検討している。

 際コーポレーションの中島武社長は会見で、「コンセプトは島自慢の新鮮な魚が楽しめる美食のホテル。長崎の郷土料理を取り入れたメニューも考えたい」と語った。従業員は地元で30~40人を採用する予定。

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