【リポート】世界の街から

プレスリーの功績思うメンフィス

米テネシー州メンフィスにあるエルビス・プレスリーの墓(手前から2番目)を訪れたファン=8月15日(共同)
米テネシー州メンフィスにあるエルビス・プレスリーの墓(画面中央)を訪れたファン=8月15日(共同)

 「ロックンロールの王様」エルビス・プレスリーの命日の8月16日は、ファンにとって特別な日だ。没後40年に当たる今年も世界各地から多くの人々が米南部テネシー州メンフィスの旧邸宅「グレースランド」に集い、米国が生んだ最大のロックスターをしのんだ。

 緑に囲まれた邸宅脇の墓地はロックのイメージとは対照的で、セミの鳴き声しか聞こえない穏やかな所だ。子どもから大人までファンが次々と祈りをささげ、花をそえる姿を見ると「ロックの聖地」と言っても過言ではないように思う。

 テキサス州から訪れた大ファンのリンダ・モズリーさん(62)に最大の功績をたずねると「エルビスはそれまで交わることのなかった二つの人種を結び付けてくれた」と話した。人種差別が根強く残る時代、白人のプレスリーは、黒人音楽をルーツとするロックを米国民の音楽に昇華させた。全く別のジャンルとされていた黒人と白人の音楽を融合させようとした、とモズリーさん。

 英ロックバンド「ローリング・ストーンズ」のギタリスト、キース・リチャーズ氏がかつて「エルビスより前は全て黒と白だった。彼が登場してから、鮮やかな色彩になった」と語った意味が少し分かった気がした。

 トランプ大統領は白人至上主義を擁護するかのような姿勢を見せ、人種間の融合を進めようという考え方が損なわれつつあるのは残念でならない。こんな時こそ、プレスリーのような人物が現れるチャンスだと思うのは楽観的すぎるだろうか。(共同通信=ニューヨーク支局・高木良平)

Follow

共同通信

on

©一般社団法人共同通信社

47NEWS

全国47都道府県・52参加新聞社と共同通信の内外ニュース。地域の文化や活力を発信。 話題のニュースの核心に迫る署名入りコラム「47リポーターズ」もスタート。

最新ニュースを読む

コンテンツの閲覧を続けるには、ノアドット株式会社が別途「プライバシーポリシー」に定めるお客様の「アクセスデータ」を取得し、利用することを含む「nor.利用規約」に同意する必要があります。