日本初、高校生の水中ホッケーチーム 横須賀

 日本初となる高校生の水中ホッケーチームがこの夏、県立海洋科学高校(横須賀市長坂)水泳部に誕生した。水中でスティックを使い、重さ1キロほどのパックを打ち合ってゴールに決める競技で、17日には千葉市で開かれる「日本オープン大会」に出場を予定。初の対外試合に選手らは「経験は少ないが頑張って勝ちたい」と、日々厳しい練習に打ち込んでいる。

 水中ホッケーは英国発祥。シュノーケルや足ひれを身に付け、長さ30センチほどのスティックを持って水中に潜る。競技時間は前後半15分ずつで1チーム6人でプレー。大学やスイミングクラブを中心に国内での競技人口は300人ほどだが、水中での激しい競り合いが魅力の一つで、日本選手権やアジア大会、世界大会も開かれている。

 指導するのは日本選手権3連覇を誇る、同部顧問の教諭(26)。東京海洋大時代に競技に出合い、アジア大会にも出場するなど教員になった今も第一線で活躍する。現在赴任3年目だが、1年目から部内で体験会を開き、部員からの希望もあって本格的に取り組むためチームを発足させた。

 「高校生は吸収が早い。すごい勢いで成長している」と教諭。メンバーは同部の男女10人で、競泳などと並行してパスやドリブル、25メートルの潜水といった練習に取り組む。「水中では会話ができないので、チームとしての絆が問われるスポーツ」と話すのは、2年生の主将(17)。最初は競技の名前すら知らなかったという1年生(15)も「肺活量が必要でハードだが、みんなでつなげてゴールを決めたときはものすごくうれしい」と笑顔を見せる。

 初陣となる17日の大会では、男子は全国の5〜6チームほどで競う18歳以下のジュニアの部に、女子は一般の部に出場する。主将は「チームの取りえは家族のように絆が固いこと。それを生かして1勝でもできれば」。教諭も「神奈川でも競技を広めたい。若い世代がここで経験したことを生かし、将来世界大会を目指すメンバーに加わってくれれば」と意気込んでいる。

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