「人間関係に疲れやすい人」の特徴と解決策4つ

人間関係にはストレスがつきもの。友人関係や職場の人間関係に疲れたら、人との付き合い方、距離の取り方を一度見直してみましょう。対人関係力を鍛えつつ、気疲れせずに上手に人付き合いをしていくための4つのコツをご紹介します

楽しくもありストレスにもなる「人間関係」に疲れたら……

身近な人との付き合いを楽しみ、良好な人間関係が築けていれば、人生は明るく楽しいものに感じられます。

しかし、人間関係はよい刺激や安心感をもたらす一方で、気遣いや誤解に伴うネガティブな感情も生じやすいものです。そうしたストレスを抱えながら惰性で付き合いを続けていると、疲労が蓄積してしまいます。また、気をつけて付き合わないと、相手に依存されたり、プライバシーを侵害されたり、都合よく利用されたり、誤解されて悪口を言われたりと、さまざまなトラブルに見舞われてしまうこともあります。

人間関係に疲れやすい人の特徴

朝起きるのがしんどくなるほど、人間関係に疲れていませんか? 人間関係に疲れやすい人には、いくつかの特徴があります。たとえば、次のようなことに心当たりはありませんか?

・周りに気を遣い、自発的な発言や行動を我慢することが多い

・「あの人からこう思われているのではないか?」と悪い方向に推測することが多い

・言葉の裏を探ることが多く、また、相手の気持ちをその時々の感情で判断することが多い

・特定の人に対するストレスを、陰口や悪口によって解消している

このように、他人に過剰に気を遣い過ぎたり、相手の気持ちを悪い方向に推測したり、自分の思いを素直に伝えられなかったりする人は、人間関係にストレスを感じやすくなります。

人間関係への疲れやすさは対人関係力とも関係

ところで、このようなパターンに心当たりのある方は、旧知の友人や家族など、いつも同じ相手との交流ばかりを続けていないでしょうか?

今現在では安心できる間柄でも、その関係性は年齢を重ねると共に変化していきます。したがって、一定の関係だけに執着していると、「いずれその関係を失うのではないか」という不安が募ってしまうでしょう。また、新たな出会いを重ねて積極的に人間関係を築いていかないと、対人関係力はどんどん低下してしまいます。

したがって、「人間関係への疲れやすさ」を根本的に解決するためには、一定の人間関係に安住せず、多様な人と交流しながら対人関係力を鍛えていく姿勢が必要です。この姿勢を促進するための具体的なポイントを4つお伝えします。

「人間関係への疲れやすさ」を解決する4つのポイント

1. 適度な距離を保ちながら、多様な人々と付き合う

旧知の人との関係は、たしかに安心できるものです。しかし、親しくなるほどお互いへの甘えが生じやすくなり、遠慮をなくしがちになります。そのため、つい相手を傷つける言葉を言ってしまったり、軽い気持ちで相手との約束を破ってしまったり、気軽にお互いのプライバシーに踏みこむようなことが起こってしまいます。

このように、限られた人との間だけで濃厚な付き合いを続けていると、その関係の中で葛藤や摩擦が起こりやすくなります。その結果、お互いへの不愉快な気持ちが募り、急に信頼関係が崩れてしまうことがあるのです。

したがって、一定の人と深く付き合うことだけにこだわらず、多様な人々とほどよい距離感と緊張感を保ちながら交流していくことが大切です。

2. 何らかの「世話役」を引き受けてみる

対人関係力を高めるには、何らかの「世話役」を務めてみるとよいでしょう。身近なところでは、懇親会の幹事や地域活動の役員、PTA役員などが取り組みやすい役割なのではないでしょうか。こうした世話役を経験すると、さまざまな人間像に触れることができ、対人関係力が鍛えられます。

ただし一人の人が世話役を続けると、周りの人が受け身的・傍観的な態度になりやすく、彼らの活動参画意識を阻害してしまうこともあります。したがって世話役を何年も引き受けず、「長くても2回続けたら、次の人にバトンを渡す」といった意識を持っておくことをお勧めします。

3. 人間関係から距離を置く理由を常に用意しておく

楽しくもあり、息苦しくもあるのが人間関係です。一定の付き合いにストレスを感じてきたら、距離を置く期間を設けましょう。

そのためには、相手を傷つけない「言い訳」や「逃げ場」を用意しておくことです。「当面、休日も仕事で忙しくなりそう」「今、子ども関係の用事で手がかかる時期」「週末に○○のスクールに通い始めた」など、角が立たない理由をいくつか考えておきましょう。

こうした理由づくりのためにも、趣味や娯楽、勉強などの活動のフィールドをいくつか持っておくのがおすすめです。

4. 気が向いたときに、自分から人を誘ってみる

誘われるのを待つだけでは、対人関係力は鍛えられません。自分から積極的に「誘う」ようにしましょう。

その際には、いつも同じメンバーで集まるのではなく、「違う面子で2~3人」「今回は5人以上で集合」など、さまざまなメンバー構成で交流する機会を持ってみましょう。最初は億劫でも、慣れれば「待つより誘う方が楽」と感じるようになるでしょう。自分から人を誘うと、交際範囲は自然と広がります。

ぜひこれらのポイントをヒントにしながら、「人間関係に疲れやすい自分」から少しずつ卒業していくことを目指してみませんか?

(文:大美賀 直子(精神保健福祉士・産業カウンセラー))

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