【大宮】「チームを勝たせる選手に」――逆襲を誓う江坂任が選ぶ自身のベストゴールは?

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 9月1日。雨が降るかもしれないという心配は杞憂だった。太陽の照るなかで、大宮のクラブハウス「オレンジキューブ」を訊ねた。そして正午を少し過ぎ、トレーニングを終えた江坂任と1対1で対峙した。
 
 その時点で大宮はリーグ16位と低迷(9月9日の25節・鹿島戦で黒星を喫して17位に順位を下げた)。昨季の躍進(J1リーグ=5位、ルヴァンカップ=ベスト8、天皇杯=ベスト4)が嘘のように苦しんでいた。
 
 「勝ちにつながるゴールを奪いたい」
 
 インタビュー中に幾度かその言葉を口にした。チーム得点王(25試合・7得点)だが、明らかに取り足りていないという自覚がある。自分がもっとゴールネットを揺らしていれば、順位はもっと上だったという悔しさがこみ上げる。
 
「ストライカー気質」だと話す江坂にとって、「チームを勝たせる選手」への想いは強い。「昨季、大宮を勝たせていたのはアキさん(家長)ですから。その役目を引き継がないといけないと思っている」
 
 そんな男にとって、忘れられないゴールとは……。自身のサッカー人生すべてを紐解き、選んでもらった。
 
「2014年のインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)決勝で決めたやつですね」
 
 悩むと思いきや、間髪入れずに答は出てきた。
 
 12月21日、味の素フィールド西が丘。当時所属していた流通経済大は関西地区第3代表の関西学院大学と対戦した。
 
「スコアは0-0、試合終了間際の87分、右サイドでボールを拾って持ち上がった。カットインして、左足でニアをズドン。狙って相手DFの股を抜きました」
 
 淀みなく状況を説明してくれる。なぜこんなにも鮮明なのか。「よく覚えていますね」。そう言葉を向けると、いかに自身にとって重要なゴールだったかを教えてくれた。
 
「決勝戦前の時点では3得点。得点王レースで並んでいたんです。だからその1点が単独での個人タイトルに結び付いた。あと、なんといっても『チームを勝利に導いた得点』ですからね。優勝を決めた一撃は忘れませんよ」
 
 幼い頃からFWとして生きてきた江坂にとって、いかに「勝ちにつながるゴール」が大切だったか。良く理解できるエピソードだろう。
 
 残留圏にチームを導くべく、逆襲を誓うエース。昨季も後半戦に調子を上げた男が、きっとスタジアムを歓喜に沸かせる場面をこれから多く作ってくれるに違いない。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※江坂選手のインタビュー全文は、9月14日発売の「サッカーダイジェスト」(江坂 任/「いざ、逆襲の時――」)にて掲載しています。

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