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熊本乳児院、福田病院で虐待防止へ妊婦支援

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 乳児の虐待死を防ぐため、予期せぬ妊娠などで悩む女性の支援を目指して厚生労働省が本年度から全国7施設で始めるモデル事業に、熊本市中央区の熊本乳児院と、福田病院が取り組むことになった。社会福祉士や助産師、保育士が妊婦の相談に乗り、関係機関と連携して出産後の生活を支援する。同省は事業の検証を踏まえ、全国に広げる方針だ。

 同省によると、2015年度に虐待で死亡した子どもは前年度比8人増の52人(無理心中除く)。0歳児の被害が全体の約6割に上る。予期せぬ妊娠や妊婦健診未受診などが背景にあるとみられ、行政の窓口などに相談できずに悩んでいる妊婦の実態把握が課題となっている。

 そこで同省は、妊婦や養育困難な家庭と接することが多い産科医療機関や福祉施設にコーディネーターを置く「産前・産後母子支援事業」に乗り出す。同省家庭福祉課は「相談の敷居を低くし、どんな支援が必要か検討する」と話す。

 福田病院は県から、熊本乳児院は熊本市から業務委託を受ける準備をしている。母子支援施設や民間団体などとも連携。子どもを育てられない場合は養子縁組などにつなぐ。事業費は全額国が負担する。

 熊本乳児院のコーディネーターは保育士が務め、妊娠・出産に関する相談を電話やメールで24時間受け付ける。「親子一緒に安心して生活でき、子どもが生まれてきてよかったと思える支援を目指す」と傘[からかさ]正治・同院長。

 福田病院は昨年、母子サポートセンターを設置して虐待防止に取り組んでおり、社会福祉士と助産師がコーディネーターを務める。鵜川弘行・地域連携室部長は「医療の介助のない出産を防ぐため、市町村と協力して支援策を考える」と話している。(森本修代)

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