初診年齢引き上げへ 精神科受診で神奈川県配慮

 思春期の精神科受診の抵抗感を和らげようと、神奈川県の黒岩祐治知事は12日、県立こども医療センター(横浜市港南区)の初診年齢引き上げに向けて検討を始める意向を明らかにした。近隣の精神医療センターとの連携を強化し、子どもの心の問題に対する専門的な医療の提供を目指す。

 こども医療センターは、一般的な小児科の対象年齢を踏まえ、初診を15歳までに限定して運用。一方、精神医療センターの思春期医療は12〜18歳を受け入れているが、「精神科」への抵抗から受診をためらう中高生が少なくないという。

 この年代の症例では、朝起きられない心身症「起立性調節障害」などが目立ち、知事も「思春期の医療ニーズの増加や多様化に対応していくことは大変意義がある」と指摘。こども医療センターが受け入れることで、早期治療につながるとの認識を示した。

 ただ、受け入れの実現には、全国的に不足している思春期専門精神科医の確保や病棟の整備といった課題が山積しているのも事実。同センター単体での対応にも限界があるとし、他の医療機関とのネットワーク構築も視野に検討を進める考えだ。今後は近隣にある精神医療センターの医師とともに検討チームを立ち上げ、役割分担や連携方法について検討を進めるという。

 同日の県議会本会議で、磯本桂太郎氏(自民党)の代表質問に答えた。

© 株式会社神奈川新聞社