採択の道徳教科書、支持意見は最少 那覇地区、閲覧者の8社評価

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 2018年度から使用する小学校道徳教科書について沖縄県の那覇市や浦添市などでつくる那覇採択地区協議会が愛国主義的傾向の強い教育出版(東京)を採択した問題で、採択地区協議会の事務局を担当した浦添市教育委員会が13日、教科書を決定した選定委員会の議事録や巡回展示会で寄せられた意見をまとめた閲覧意見書などを公開した。「選定してもらいたい教科書名」と「意見」について教員や保護者から443件の回答があった。その多くは内容を評価するものだが、教育出版に対しては38件で検定に合格した8社中最も少なかった。

 那覇採択地区の選定委員会は保護者3人を含む15人で構成。教科書の比較研究などについては現場教員である研究員6人による「教科用図書研究会」に委嘱した。採択に関する議論は守秘義務が課され、委員長を含め委員、研究員の名前は非公開。議事録では名前は黒塗りになっている。

 選定委員会は6月6日、7月12日、14日の3回開かれた。第2回会合で研究員から3社が推薦され、学校関係者とみられる委員らが「(文章の末尾にある)発問が子どもの助けになる」「教師の力量に左右されず使える」などの意見を出し、教育出版採択の方針をまとめた。

 第3回会合では教育出版5年生用教科書の文章に安倍晋三首相の写真が掲載されていることについて、教員以外から「意図が分からないので採用しないでほしい」という意見があることが指摘された。これに対し複数の委員が、文章は「補助教材」に当たり「違和感があることを考える学年・教員は、取り上げなくてもいい」などと発言し、問題ないという結論になった。

 閲覧意見書では「採用しないでほしい」など明確に意思表示した意見は6件あり、うち3件が教育出版に対するものだった。学校図書が2件、日本文教が1件だった。

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