【三菱商事・金属グループ 現状と今後の事業展開(2)】〈3本部トップに聞く、鉄鋼製品本部長・塚本光太郎氏(執行役員)〉メタルワン・双日と一体で成長

事業モデルの変革必要

――三菱商事全体に占める鉄鋼製品事業の位置付けは。

 「三菱商事は、今年度より事業の分類を、従来の資源・非資源から、リスク感応度に基づき、市況系・事業系にくくり直した。鉄鋼製品本部は従来非資源に分類されていたが、新しいくくりでは事業系に分類されている。鋼材市況のアップダウンはあるが、事業経営を通じて成長を進め、確実に一定の利益を確保することが求められている」

 「本部の陣容は全部で247人。そのうち213人がメタルワンに出向している。以前は本部内に自動車部品事業部があり、事業経営をしていたが、自動車部品事業はメタルワン事業部内に移管した」

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三菱商事金属グループ鉄鋼製品本部長・塚本執行役員

――鉄鋼製品本部の利益目標は。

 「6割出資するメタルワンを、20年度には如何なる環境でも持続的に連結純利益300億円を稼げる会社にすることが目標だ。過去最高益は07年度の399億円(当時の売上高は約3兆3千億円)だが、まずは300億円のレベルに戻したい。その先に、さらなるステップアップを考えていく」

――鉄鋼製品事業の将来像は。

 「この1~2年が20年の目標、あり姿を達成するための勝負の年だと認識している。機能を強化し他社との差別化を通じ、単に生き残るのではなく勝ち残る。メタルワンは今年度から成長に軸足を移しており、三菱商事・双日・メタルワンが三位一体となって成長戦略を完遂したい」

――メタルワンの具体的な経営課題は。

 「現中経で掲げる(1)業態変革(2)成長に向けた集中の徹底(3)連結経営の深化がポイントだ。一方、メタルワンの業態は、過去最高益をあげた07年度から大きく変わっていない。前中経からSBU(事業部)制を導入したが、SBU各々の事業領域において、マーケットやお客様のニーズを先取りし、事業モデルを変えていく必要がある」

――事業選択はだいぶ進めました。

 「過去3年間で、20以上の事業投資先から撤退し、B/S(バランスシート)も改善して成長のための原資は確保した。メタルワンの中期経営計画では自動車鋼材(海外)、線材、特殊鋼、薄板、厚板、鉄鋼国際を6つの重点分野と位置付け、投資はそれら分野に集中していく」

――重点地域は。

「国内(日本)に加え、アメリカ、メキシコ、インド、タイの5カ国。海外市場は当然重要だが、国内市場も重要。国内市場は今後大きく伸びないと言われているが、メタルワングループの強みを活かせる市場でもあり、発想を転換し機能を強化することで、まだまだ伸ばせる余地があると考えている」

――国内鋼管事業は住友商事と合弁を検討中。建材に続いて、再編統合を進めます。

 「建材は三井物産グループと統合したエムエム建材で対応しているが、国内鋼管事業に関しては勝ち残りの為の一施策として住友商事グル―プと共に販売体制を効率化、強靭化し、両グループの総合力を生かしていくことがベストと判断した結果だ」

――大阪などでグループ会社の事務所が同一拠点に集結しました。

 「グループ一体となり、お客様にワンストップで総合的な対応をさせていただくことが狙いだ。職能部門を共通化して業務が効率化できる面もある。ビジネスのレイヤー(層)としては、三菱商事・双日、メタルワン、メタルワンのグループ会社と3層あるが、業務の複層化を避けながら一体で動いて総合力を発揮したい」

――全社で力を入れているIoTやAI、ビッグデータの活用は。

 「三菱商事のシリコンバレー支店には、金属グループからも2人派遣して最新状況を追っている。メタルワンの持つビッグデータを活用したり、生産現場(加工拠点)で生産性向上・効率性・安全性向上の事例も出始めている」

――社内の他のグループとの連携などは。

 「メタルワンでは以前よりタイやインドネシアで三菱商事の自動車部門と連携するなど、いい形で協業できている。三菱商事や双日が海外に持つネットワークも活用し総合力をより強固なものにしていく」(一柳 朋紀)

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