古河電工、光ファイバ事業を強化 165億円投入、欧米で能力倍増

 古河電工は光ファイバ事業を強化する。2019年度までに約1億5千万米ドル(約165億円)を投じて、光ファイバや光ファイバを用いたケーブルの能力増強を進める。海外市場での光ファイバ拡販を中期的な重点戦略に位置付けているが、世界的な情報通信量の増加を受け需要が急拡大。市場の要求に対応するため大幅増産を決めた。米国と欧州の事業拠点で工場を増設。光ファイバの能力をグループ全体で倍増させる。同社が13日に会見した。

 当初は18年度までに光ファイバの能力を2割増やす計画だったが、供給要請が強まっていることから追加投資を決定。グループ・グローバル経営推進本部長の荻原弘之専務は「世界的に旺盛な光ファイバ需要に応え、これまでの戦略をさらに加速させる投資」と説明する。同社は欧米で優良な顧客基盤や大規模な製造拠点を有することなどが強み。競争優位性のあるエリアで事業を強化する。

 増強するのは米子会社であるOFSの拠点。光ファイバは米ジョージア州ノークロスとデンマークのコペンハーゲンに立地する工場で建屋を増設。前工程の光母材や、後工程の線引きなどの能力を高める。ケーブル化の工程は同州キャロルトンの工場で建屋を増やして増産を進める。現在光ファイバで古河電工の世界シェアは1割強。増強後は2割以上に高まる。投資総額150万ドルのうち約100万ドルが光ファイバ分、約50万ドルがケーブル化工程分となる。

 今回の投資は19年度以降に収益に寄与。能力を増強しながら高水準な需要に対応し、生産ラインはフル稼働を続ける見通しとなっている。欧米市場は今後も拡大が見込まれる状況。光ファイバなどの事業を統括する中村俊一常務は「欧米では住宅に光回線を引込むFTTHや次世代通信システムなどで長期的な需要拡大が期待できる」と話している。

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