日本原燃六ケ所再処理工場、全設備安全性調査へ

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審査会合で、雨水流入問題を「重く受け止める」と述べる原燃の村上副社長(左)=13日午後、東京・六本木

 日本原燃は13日、六ケ所再処理工場で14年間未点検だった設備から雨水が流入したトラブルを受け、工場の全設備の安全管理状況を調査し、本年度末までに点検などの対応を終える方針を示した。原子力規制委員会は、設備の保守管理が適切に行われる体制にならない限り再処理工場を審査合格としない考えで、原燃が2018年度上期とする同工場の完工時期は大幅にずれ込む可能性が出てきた。

 同日、規制委が東京都内で開いた再処理工場の審査会合で、原燃の村上秀明副社長(再処理事業部長)が説明した。原子力規制庁の担当者は会合で、安全管理体制の不備を取り上げ「原燃に再処理事業をやらせていいのか」などと発言し、事業者としての資質を問う姿勢を示した。

 再処理工場の非常用電源建屋では8月13日、配管が通る貫通部の隙間を埋めるシール剤の劣化により、雨水800リットルが流入した。貫通部は03年の設置以降、一度も補修していなかった上、当直員が誤って別の場所を点検していたにもかかわらず、貫通部の巡視・点検の確認欄にチェックを入れていたことが判明している。規制庁は「保安規定違反の疑いがある」として調査を進めている。

 原燃は、9月中に雨水の流入について詳細な原因や改善点をまとめる予定。そのほかの工場内の全設備についても安全管理状況を調べる。原燃は工場内の設備数を「把握していない」としているが現場の安全管理を根本から洗い直すのは膨大な作業量になる見通しだ。

 審査に合格しても、再処理工場の完工までには、安全対策工事や規制委による使用前検査を終える必要がある。このため、18年度上期の完工は延期が必至の状況となったが、原燃の越智英治執行役員は完工時期について報道陣に「具体的に変える計画はない。まずはやるべきことをちゃんとやる」とし、明言を避けた。

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