人気の給食、後継メニューの名付け親は… 神戸

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「鯨肉のノルウェー風」の食品サンプル。神戸市教育委員会が保管する

 神戸の学校給食から1986(昭和61)年に消えた「鯨肉のノルウェー風」。「懐かしい」「大好物だった」と喜ぶ読者がいる半面、嫌いだったと語る人も少なくない。少々癖のある味わいだったようだ。

 神戸に限らず、他府県からは「同じメニューがあった」「自分が食べた献立と同じようだが、名前が違う」との声も。

 鯨文化を研究する関西大学東西学術研究所非常勤研究員の茶谷まりえさんによると、江戸後期から食された鯨肉が、さらに日本でなじみ深くなった契機は、太平洋戦争後の深刻な食糧難だった。高タンパクで安価なため、連合国軍総司令部(GHQ)が推奨し、全国的に給食でも定番の食材となったという。

 茶谷さんは「『ノルウェー風』のようなケチャップあえは、新鮮な肉でなくても風味を損ねず、独特の匂いや臭みが出にくい調理法。子どもが食べやすい味付けでもあった」と話す。

 一方、ノルウェー風の後継メニュー「牛肉のウエスタン風」については、初めて出された1991年当時、神戸市の学校栄養職員(現・栄養教諭)だった女性からネーミングの由来に関するこんな逸話が寄せられた。

 須磨区の千歳小学校(閉校)に勤めていた同僚が、児童に「鯨肉が牛肉になるのだけど、名前は何がいい?」と尋ねたところ、「牛肉のウエスタン風」という意見が出た。各校の栄養職員が集まる会議でも「それ、いいね」となり、採用された-。

 「子どもたちが給食の料理に名前を付けるのは珍しく、印象に残っている」とこの女性。「子どもの考えなので根拠ははっきりしないが、牛肉→牛→カウボーイ→ウエスタン…という思考回路ではないでしょうか」と懐かしんでいた。(上杉順子)

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