不動産を買うなら「衝動買い」しなさい 慎重さと勢いのバランスが明暗を分ける

©紅橋株式会社

大きな買い物を慎重に進めるのは良いことです

「大きな買い物は慎重に…」とはよく言われます。

もちろん間違っていません。マイホームは特に慎重になったほうが良いです。

現金で買うならまだしも住宅ローンを30年も35年も返済する前提で購入するのなら、慎重に検討を重ねる方が良いに決まっています。

でもこのコラムではあえて「衝動買い」すべきの立場で書きたいと思います。

「衝動買い」を大辞林 第三版にはこう書いてあります。

「よく考えもせず その場の欲しいという気持ちだけで買ってしまうこと」(大辞林 第三版)

たまたま立ち寄ったお店で偶然、目にした洋服が気に入って買ってしまったなんてケースでしょうか。

不動産の場合、散歩の途中で偶然見つけた分譲地をその場ですぐに購入手続きをしたなんてことは考えずらいですが、僕が今回あえてこのテーマにした理由は「慎重になりすぎないで」というメッセージを伝えたいために選んでいます。

不動産はすべてが希少価値のある商品

不動産は同じ物件がふたつと存在しないすべての物件がある意味、希少価値のある商品です。

同じ分譲地の隣り合う区画だって、日当たりや風通しなんて面まで考慮するとまったく同じということはありません。

マイホーム購入を考える消費者の立場とすれば自分たちの理想像がはっきりしていれば物件探しの条件も厳しくなるかもしれません。

過去、関わったお客様の中には希望条件をチェックリストのように用意して、物件ごとにチェックをしている方がいました。

もちろん悪いことではありません。むしろ几帳面ですごいなと感じたことを覚えてます。

もちろんお客様もチェックリストで満点になるような物件があれば理想ですが、満点はありえないことは理解しています。

でもそういう方の中には不思議と高得点をたたき出す物件に出会っても申込をしない方がいます。

そうこうしているうちに他の方に先を越されて物件自体がなくなります。

「いつになったら物件を買うのだろう?」

「本当は買う気はないのかな?」  

なんて感じる時もあります。

一瞬の迷いが明暗を分ける

物件を逃した2組のお話をしたいと思います。

Aさんの場合

Aさんは市内でも人気のエリアで物件を探していました。実父が会社経営をしており、そこを将来は継ぐことも考慮して、自宅兼事務所を建築したいと土地を探していました。

人気エリアということもあり、なかなか物件は出てきませんでしたが、たまたまこちらから提供した物件情報の中にAさんもかなり気になる物件が現れます。

予算診断であらかじめ予算の目安は確認していました。予算にも当てはまる物件です。

現地を見てかなりテンションが上がっている状況に僕は人気エリアであることも考慮して、購入するかどうかは早く決断して、できるだけ早く買付証明(購入申込の意思表示)を入れておいたほうが良いとアドバイスをしました。

Aさんはもともと相談していた設計事務所があり、設計士さんへも相談してプランを作ってもらってから判断したいと申込を入れることには慎重な姿勢を見せました。

Aさんのこの反応はとても普通だと思います。でも今回の場合は建築条件のない更地が売りに出ることが珍しいエリアでもあるので、悠長に構えていられない状況でした。

同じ時期には僕が関わっている他のお客様も同じエリアで物件を探していました。

幸い? そちらは予算が合わず、この土地は検討の対象にはなりませんでしたが、他にも探しているお客様がいるだろうことを危惧していました。

1週間後、Aさんはその土地を購入する決断をしましたが、検討していた1週間の間に土地は別の方が買付証明を入れており、結局Aさんは逃してしまいます。

Aさんのその時の落胆ぶりは相当なものでした。

Bさんの場合

Bさんは非常に予算が限られるなかで注文建築を希望されていました。

予算が限られるなかでの土地探しは難航していました。

予算が限られるだけに物件があっても事故物件だったり、現地を見るとそれほど魅力を感じないものも多くありました。

そんなことを繰り返しながらある物件に出会います。

一目見て非常に気に入る物件でした。やや狭いものの駅から歩ける距離で角地で日当たりも悪くありません。

何より平坦な土地でどうしてこの物件がこれまで売れずに残っていたのか不思議なくらいでした。

Bさんも現地を見てとても気に入っていました。概算ですが、建築費を考慮しても予算に収まりそうです。

ところが慎重派のBさんは「99%ここで決めるつもりだ」と言いながら、話を持ち帰ります。

この土地に関してはAさんほどの人気エリアではないので、正直、売れてしまう可能性は低いかなと感じていたのは事実です。

2日後に購入を決断したBさんでしたが、前日に他の方が申込を入れたということでBさんはこの土地を逃してしまいます

まさかタッチの差でという感じです。

この時、先に購入されたのは、不動産業者だったようです。不動産のプロはエリアの様子が分かっているので現地を見ずに買付証明を入れるケースもあるといいます

改めて現地を見るまでもなく、「あー!あそこね」と分かってしまうという表現が正しいかもしれません。

先日、この土地の近くを通ったら新築建売住宅として販売されていました。

不動産の取引には慎重さと勢いのバランスが重要

AさんもBさんも慎重に事を進めようとしましたが、不動産の購入にあたっては時には勢いも大切です。

ただ、予算もきちんと把握できないままの勢いはお勧めしません。

しかし、適正な予算を把握し、その予算を考慮した物件探しをした結果、現地で「これだ!」と感じた物件に出会ったのなら、「慎重に検討しよう」などと理性を働かせることなく「衝動買い」することをお勧めします。

住み心地は設計力でカバーすることは可能ですが、物件の立地や金額は何かでカバーすることは不可能です。

逆にいうと衝動買いしたくならない土地はどんなに条件が良さそうでも買わないほうが良いのかもしれません。

建築をお願いする建築会社を時間をかけてゆっくりと選ぶことは可能ですが、土地や建売、中古物件、マンションなど形あるものはタイミングが重要です。

一瞬の迷いが成否を分けるかもしれません。

慎重さと勢いという一見矛盾する概念をバランスをとるなんて難しいですが、慎重に検討すべき時期は恐らく初期段階です。

予算も物件も慎重に検討し、条件を定めたら後は後は勢いを持っていきましょう

最後に

AさんもBさんも幸いにその後に相次いで土地を見つけることができました。

さすがに一度、かなり気に入った物件を逃した経験があるせいか、お二人とも決断が素早かったのが印象的でした。

特にご自身は慎重派だと自負がある方はぜひ、ご自身の直感を信じて「衝動買い」を意識してみてはいかがでしょうか? (執筆者:佐藤 陽)

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