担任教諭の過失を認定 平塚・小6事故死で地裁支部

 2014年10月に平塚市土屋の市立土屋小学校で、図工の授業中に正門前の公道で絵を描いていた同校6年の男子児童=当時(12)=が、送迎に来た別の保護者の車にひかれて死亡した事故で、遺族側が運転した保護者や市、県を相手取り約9千万円の賠償と過失責任の認定を求めた訴訟の判決が15日、横浜地裁小田原支部であった。栗原洋三裁判長は児童側に落ち度はなく担任教諭の過失を認め、平塚市と県が運転した保護者と連帯して計7270万円を支払うように命じた。

 判決は、正門前に保護者の車両が複数台駐車することが常態化し、「公道をさほど危険と思わない児童がしゃがむなどして絵を描けば、車両によって死亡することは容易に予見できた。校外で絵を描くことを認めなければ事故という結果は回避できた」と認め、学校設置者の市、教員給与などを負担していた県も責任を負うとした。

 過失認定については、児童は図工の授業中に教諭の許可を得て事故現場となった正門前の公道におり、運転した保護者がしゃがんで絵を描いている児童を認識しながら失念して起こした一方的な過失で、被害児童に「相殺すべき落ち度は存在しない」とした。

 平塚市教育委員会は「あらためて被害児童の冥福を祈り、判決内容を精査して今後の対応を考えていきたい」とコメントした。

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