途上国の今伝えて 平塚の小6、国連で研修

 日本青年会議所が主催する「少年少女国連大使」の神奈川代表に選ばれた横浜英和小学校6年の高久夢華(ゆめか)さん(11)=平塚市在住=が先月、米ニューヨークの国連本部での研修などに参加した。高久さんは貴重な経験を振り返り「将来は国連の職員になって人を助ける仕事をしたい」と夢を語った。

 同大使は、国際的な課題について理解を深めることとともに海外での交流などを通じて、国を超えて活躍できる人材を育てる目的で2011年にスタート。毎年小中学生を対象に参加者を募っている。

 高久さんが応募したきっかけは、小4の時に学んだ途上国での水不足や衛生問題。「泥水に口を付ける子どもたちの写真を見て、こういう世界もあることにショックを受けた」。各国がどのような支援に取り組んでいるのか知りたいという思いから、同大使への参加を希望した。

 そのメンバーに選ばれ、ニューヨークでの研修に向けて、改めて水問題について学習。全世界の3分の1に当たる約6億6千万人の子どもが不衛生な水を飲んでいることや、1日当たり約800人の子どもが水が主な原因による病気で命を落とす、という現実を知ったという。

 今回の研修の訪問先の一つ、国連児童基金(ユニセフ)でも、こうした現状を確かめた。また、水くみに時間を割かれる子どもたちが学校に通えず、教育や貧困の格差にもつながっているとの課題も学んだ。

 6日間の研修では、国連本部で全国の仲間5人とともに、「安全な水とトイレを世界中に」をテーマに英語でスピーチ。専門用語といったハードルを克服し、世界各国の職員を前に堂々と発表できたと胸を張る。

 「貴重な体験ができた。学校の友人など一人でも多くの人に知らせることが、これから私にできること。学んだことや途上国の現状を伝えていきたい」。同大使の役目は、帰国後からの啓発活動も含まれる。高久さんは地球規模の問題解決に向けて、歩みだすと心に決めている。

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