西武源田と中日京田の“ミスター越え”なるか…長嶋茂雄氏まで残り15本

9月18日に2人の新人王候補が躍進した。メットライフドームで行われた西武vsソフトバンク戦に「2番・遊撃」で先発した西武の源田壮亮内野手は、6打数3安打を記録。またナゴヤドームの中日vs巨人戦に「1番・遊撃」で先発した中日の京田陽太内野手は、4打数2安打を記録した。2人の新人は今季安打数を揃って「141」とし、共にチームの新人安打記録を更新した。

中日・京田陽太【写真:荒川祐史】

源田、京田は揃って各球団記録を更新

 9月18日に2人の新人王候補が躍進した。メットライフドームで行われた西武vsソフトバンク戦に「2番・遊撃」で先発した西武の源田壮亮内野手は、6打数3安打を記録。またナゴヤドームの中日vs巨人戦に「1番・遊撃」で先発した中日の京田陽太内野手は、4打数2安打を記録した。2人の新人は今季安打数を揃って「141」とし、共にチームの新人安打記録を更新した。

 源田壮亮は、1981年に石毛宏典が作った127安打という球団記録を、すでに大きく上回っている。京田陽太は、1959年に江藤慎一が記録した139安打を上回った。

○NPBの新人選手安打記録10傑

180本 1956年 佐々木信也(高橋)
160本 1948年 笠原和夫(南海)
153本 1958年 長嶋茂雄(巨人)
147本 1950年 河内卓司(毎日)
146本 1955年 榎本喜八(毎日)
141本 2017年 源田壮亮(西武)
141本 2017年 京田陽太(中日)
140本 1998年 高橋由伸(巨人)
139本 1959年 江藤慎一(中日)
136本 1950年 藤田宗一(国鉄)
136本 1953年 鈴木武(近鉄)
136本 2016年 高山俊(阪神)

 後年チームの中心打者として活躍した選手が、ずらりと並んでいる。

NPB記録は佐々木信也の180安打、セ・リーグ記録は長嶋茂雄の153安打

 1位の佐々木信也は湘南高校時代に夏の甲子園で優勝。慶應大学の花形二塁手として活躍したが、1956年に創設3年目の高橋ユニオンズに入団。新人ながら3月21日の開幕戦に「1番・二塁」で先発した。この年のパ・リーグはNPB史上最多の1チーム154試合制だったが、フル出場を果たして180安打、リーグ最多安打を記録した。高橋ユニオンズは翌年大映と合併。佐々木は4年で引退するが、その後スポーツキャスターとして「プロ野球ニュース」をはじめ、様々なメディアで大活躍したことは広く知られている。

 2位の笠原和夫は早稲田大学を卒業後、第2次世界大戦を経て、社会人を経験後に南海入り。1948年に140試合に出場し、160安打を放った。

 3位は立教大学のスターだった長嶋茂雄。“ミスタージャイアンツ”の登場で、プロ野球ブームが巻き起こった。

 4位の河内卓司は慶應大学から大洋漁業に進み、1950年にプロ入り。新人とは言え、すでに30歳だった。昨年96歳で死去している。

 5位の榎本喜八は早稲田実業からプロ入り。1年目でデビューした当時は、わずか18歳で天才打者の名を欲しいままにした。高卒新人選手では榎本の146本が最多だ。

 今年の源田と京田は、これら大先輩の記録に次ぐ位置にいる。西武と中日は共に今季は11試合残っている。佐々木信也の180本はアンタッチャブルだとしても、2位の長嶋茂雄の153本は十分に狙える位置にいる。中日の京田が追いつけば、セ・リーグ新記録だ。

 昨年も高山俊が136安打で阪神の新人安打記録を更新、茂木栄五郎も118安打で楽天の同じ記録を更新した。最近は、若手選手の思い切った抜擢起用が功を奏していると言えそうだ。

 残り11試合。源田と京田はどこまで数字を伸ばすだろうか?(広尾晃 / Koh Hiroo)

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