幻想的な光浮かぶ土谷棚田

 「日本の棚田百選」の一つで毎年9月の火祭りで知られる松浦市福島町の土谷棚田で18日夜から、あぜに設置された6千個の発光ダイオード(LED)ライトを点灯。オレンジ色と青色の幻想的な光が海岸線へ続く斜面を彩り、観光客らを魅了している。23日まで。

 土谷棚田は町の西側に位置し、約15ヘクタールに約400枚の田んぼが広がる。棚田と海岸線、沈む夕日の競演を楽しめる景観で知られ、約3千個の灯籠を並べる火祭りには県内外から多くの観光客が訪れる。

 LEDライトの点灯は火祭りの雰囲気をより多くの人に楽しんでもらおうと、地域おこし団体「福島おいどんがまちづくり会」(本川浩二会長)が初実施。国の「美しい農村再生支援事業」を活用して、付属の太陽光パネルで蓄電、点灯するLEDライト6千個を用意し、1月の試験点灯を経てこの日を迎えた。

 17日の火祭りは台風接近のため中止。18日は、朝から町内のボランティアらがあぜにライトを設置し、夕方には多くの人が新たな棚田の光景を眺めに訪れた。

 ライトは暗くなると自動で光り、30分ごとに色が変わる仕組み。日が沈む頃、火祭りを再現したオレンジ色の光が棚田を包むと、観光客らは写真に収め、光が青色に変わると見物客からは歓声が上がり、幻想的な光景に見とれていた。

 祖母と訪れた西海市立大串小6年、山田幸来(さきく)さん(12)は「2色の光でのライトアップは、火祭りと違った雰囲気があり楽しめた」と話した。本川会長は「初めての取り組みだが盛況だった。福島の棚田の魅力を伝えるイベントとして来年からも開催していきたい」と語った。

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