波佐見の写真家 文科大臣賞

 東彼波佐見町折敷瀬郷の「スタジオ頌(しょう)」代表の鶴田和利さん(53)が撮影した写真が、九州写真展覧会(九州写真師会連盟主催)で最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。鶴田さんは「感動した。これまで支えてもらった人たちに感謝したい」と喜びを語った。

 受賞作品は、佐賀県伊万里市の陶芸作家、富村繁雄さん(89)の作陶風景を撮影。鶴田さんは「会話や作業場の雰囲気を通じて感じた、陶器に向かう真っすぐな姿勢、生きざまを表現したかった」。より精神性を浮かび上がらせるため、カラーではなくモノクロで表情を切り取った。富村さんが以前に制作した「木の葉天目茶碗(ちゃわん)」の写真と合わせた3枚の組み写真で、頂点を勝ち取った。

 展覧会は九州・沖縄のカメラマンの公募展で、3部門に600点以上の出品があった。鶴田さんは、日本の風土や伝統などがテーマの「第2部」に出品し、部門1位の「推薦」を獲得。3部門の推薦から文部科学大臣賞が選ばれた。

 過去に推薦を受賞した経験を持つ鶴田さんは「賞の重みが全然違う」と笑顔。「これからも地域に密着し、情熱を持って取り組んでいきたい」と話した。

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