昇格後初打席、初球をV弾 塚田の一発に見るホークス選手層の厚さ

アクシデントを跳ね返した。20日の日本ハム戦(札幌D)。2年ぶりのリーグ優勝を決めているソフトバンクは、主砲の柳田、デスパイネを途中交代で欠きながらも、4-1で逆転勝ち。改めて層の厚さを感じさせる試合だった。

ソフトバンク・塚田正義【写真:荒川祐史】

デスパイネの代打で貴重な一発

 アクシデントを跳ね返した。20日の日本ハム戦(札幌D)。2年ぶりのリーグ優勝を決めているソフトバンクは、主砲の柳田、デスパイネを途中交代で欠きながらも、4-1で逆転勝ち。改めて層の厚さを感じさせる試合だった。

 この日のヒーローは、6年目の塚田正義だった。

 1-1の同点で迎えた7回。1死走者なしの場面で、打席に立った。本塁打、打点の2冠に立っているデスパイネの代打だった。

 同点の場面にもかかわらず、チームを核を担うキューバ人助っ人への代打。敵地が騒つく中で、日本ハム先発の上沢との対戦した。その初球。真ん中低めへのカーブだった。

「初球から積極的に行こうと思っていました。(カーブは)狙っていないです。真っ直ぐ狙いでした」

 狙いとは違ったが、反応した。快音を残した打球は左翼スタンドへ。勝ち越しの2号ソロとなり、これが決勝点となった。

工藤監督「誰かが怪我をすれば、残りのメンバーが補う」

「もらったチャンスは生かそうと思って積極的にいきました。チャンスがそんなにもらえるわけじゃない。アピール出来てよかったです」

 試合後、こう振り返った塚田。優勝が決まった16日の西武戦(メットライフD)で今季3度目の1軍昇格。西武3連戦では出番なし。昇格後初打席で、しかもその初球をホームランにしたのだから、驚きだ。

 茨城県立古河一高から白鴎大を経て、2012年にソフトバンクに入団。中距離砲として期待されながらも、なかなか芽が出なかったが、昨季はウエスタンリーグ新記録となる124安打をマーク。今季もここまで、ファームで打率.289をマークしている。外野だけでなく、一塁、三塁とこなす。1軍の分厚い選手層をなかなか破れずにいるものの、楽しみな存在だ。

「また明日試合があるので、頑張ります」と話した塚田。今季ソフトバンクで度々見られた控え組の活躍。工藤監督は「誰かが怪我をすれば、残りのメンバーが補う。それは変わらない」という。柳田が右脇腹を痛め、デスパイネも退いた一戦で、層の厚みを見せつけた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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