町内、自治会って何? 日本女子大学生が支える人たちを取材

 日本女子大学の学生6人が川崎市高津区で地域コミュニティーづくりに活躍する人たちを取材し編集した冊子「高津区を支える人たち。〜高津区町内会・自治会ずかん」が完成した。「町内会や自治会は何をしているの」という素朴な疑問からスタート。自治会長、民生委員、消防団員らの活動の現場を訪れ、写真とともに紹介した。

 同大家政学部住居学科(東京都文京区)の薬袋(みない)奈美子准教授の研究室でまちづくりや都市計画を学ぶ4年生と大学院生が、昨年秋から半年ほどかけて作成した。

 高津区内には106の町内会・自治会があるが、加入率低下が課題となり、区民からは「何をやっているのか分からない」との声が区に多く寄せられるという。地域コミュニティー施策推進事業で協力している研究室が“人”に焦点を当てることで活動の実情を紹介した。

 紹介したのは、子ども会連合会会長、民生委員、社会福祉協議会、防災や防犯パトロール、交通安全、スポーツ推進、青少年指導、公園管理、美化などに取り組む多彩な人たち。広報・会計などを担当する「なんでも屋」の町内会総務部長も取り上げた。

 下作延第3町内会が月に1回行う回覧資料の仕分け作業を取材・執筆した4年生の桑原わかなさんは「取材した人たちの役割への思いと温かさを多くの人に知ってほしい」と願う。薬袋准教授は「転入者が多いこの地域は、子どもが元気に育ち、災害とも賢く向き合うようなまちになり、誰もが仲間入りできるようになることを期待して制作した」と話している。

 冊子はA5判34ページ。1万5千部を作成し、区役所や市民館、図書館などで無料配布している。問い合わせは、同区地域振興課電話044(861)3144。

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