変化する日本文化に焦点 9組の芸術家ら横浜で「新・NIPPON展」

 時代と共に変化する日本文化に焦点を当てた「新・NIPPON展」が横浜市栄区の県立地球市民かながわプラザで開かれている。同館は「多文化との出合いによって新しい価値観をもたらした作品群を見てほしい」と話す。11月5日まで。

 全173点で、日本に在住する9組の職人やアーティストらが出展。スウェーデンやブラジル出身者が描く漫画や、英国生まれのカナダ人の木版画などが並ぶ。

 旧藤野町(現相模原市緑区)に移住したカナダ出身の織物職人、ブライアン・ホワイトヘッドさんのカーディガンなども展示。蚕を育てたり、藍染めにしたりという制作風景をパネルで説明し、「よりよい文化を体現するため」といったホワイトヘッドさんの制作に懸ける思いを紹介している。

 日本人作家も出品。神奈川文化賞未来賞を受賞した若手職人集団「雑木囃子(ばやし)」の寄せ木細工、伝統的な和の要素と現代の感性を融合させた女性デザイナーの「金魚ドレス」などの服飾品が会場を彩る。

 県内には1月現在、172の国・地域出身者が暮らし、県民の50人に1人は外国籍という。展示担当者は「多文化共生をキーワードの一つに掲げるこのプラザで、時代とともに変化、変容を続ける日本文化の側面を感じてもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 入場無料。午前10時〜午後5時(最終入館は同4時半)。祝日を除く月曜休館。出品者によるイベントや講演会も予定している。問い合わせは、同館電話045(896)2121。

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