道志川に響く歌声 相模原・緑区で合唱祭

 作曲家で早稲田大グリークラブを長年指導した故磯部俶(とし)さんを記念した「遙(はる)かな友に 道志川合唱祭」が24日、相模原市緑区青根の緑の休暇村センター広場で開かれた。26回目のことしは磯部さんの生誕100年に合わせて作られた2曲が初披露され、歌碑建立時のタイムカプセルが約30年ぶりに開封された。県内外から23団体が参加、約千人の歌声が山あいに響いた。

  磯部さん(1917〜98年)は、51年に早稲田大グリークラブの道志川キャンプ合宿で指導した際に、合唱曲「遙かな友に」を作り、レコードを発売した。合唱祭は同地区に曲の歌碑が86年に建立されたのを機に、92年から毎年開催されている。歌碑を記念して関係者による発起人名簿や寄付者名簿などがタイムカプセルとして収められ、24日は開会前に開封して当時をしのんだ。

 ボニージャックスの出演は磯部さんがグループの名付け親だった縁によるもので、「白いブランコ」「緑の雨江ノ島」など8曲を披露。生誕100年を記念して磯部さんの息子で音楽家の周平さん(68)が作曲した「おいでよ、ここへ」や、ボニージャックスのトップ・テナーでロクさんこと西脇久夫さん(81)が磯部さんをしのんで作曲した「静かな人」が初披露された。「道志川旅情」「遙かな友に」の全員合唱も行われた。

 歌碑建立に奔走しタイムカプセルの埋設時も立ち会った西脇さんは「当時は50代だった私が開封に立ち会うとは感無量。この合唱祭が地域の活性化につながればうれしい」と話し、「僕らはいつまでも、解散しません」と約束した。

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