【きらりと光るわが社の〝得意技〟】〈日軽形材〉アルミ製ソーラーパネル架台「アルソルメガ」、施工性が良く超軽量設計から施工までグループ一貫

 日本軽金属グループの日軽形材(本社・岡山県高梁市、社長・高橋克彦氏)は、1973年設立のアルミ押出形材の総合一貫メーカー。本社・岡山工場(岡山県高梁市)と大阪本社(大阪市中央区)に拠点を持ち、従業員が222名。

 日軽金グループの中で日軽形材は「日軽金加工開発ホールディングス」に属し、押出形材部門を担当している。

 高橋社長は「ここ数年、当社グループでは横串体制を強化しグループ力の結集を図っている。具体的には商品開発や生産技術の改良などだが、その代表的な事例がソーラーパネル架台『アルソルメガ』だ。この製品は日本軽金属、日軽形材、日軽金アクトなどグループ9社が関わっている」と話す。

アルミ製ソーラーパネル架台「アルソルメガ」

 「アルソルメガ」は12年の発売。太陽光発電事業への関心が高まる中、日軽金アクトを主体に設計・開発し、日軽形材の岡山工場で生産している。

 その特長は(1)物件ごとの最適化設計(2)アルミ材(A6NO1)に陽極酸化複合皮膜を施し耐食・耐候性を強化(3)耐風圧強度1000N/平方メートルを実現した高強度(太陽電池アレイ用支持物設計標準JIS C8955:2011に準拠)(4)景観と調和したスマートなデザイン(5)超軽量(重量比で鋼製の3分の1、他社アルミ製の4割減)(6)施工性の良さ―など。

 「製品を本格的に売り出したのはこの3~4年だが、アルミ架台の良さが顧客に認知されてきたと感じている。『アルソルメガ』の16年度年商は約15億円。既に全国のソーラーパネル施工面積の半分は埋まっている。この2~3年が勝負の時期であり、売り上げ倍増を目指している」(高橋社長)。

 「アルソルメガ」は鋼製に比べコストが約3割高いが、超軽量で施工性が抜群。しかも錆びない。ランニングコストを含めた評価は優位で、「やはりアルミ」と顧客の評価も高いという。

 「アルソルメガ」は案件ごとに強度を解析、アルミ形材を最適な組み合わせで提供する。標準タイプの他に、前支柱無し、段違い工法、傾斜地、多雪の各タイプを用意。支柱と杭を一体化させ施工性をさらに高めた「ラミング工法」や、2方向傾斜で対応可能な架台もある。「単に中国製アルミ形材を組んだ製品とは別物。設計・製造・施工を日軽金グループ内で完結していることも強み。太陽光発電ブームは一段落したが、勝算はある」(同)と自信を見せる。(白木 毅俊)

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