濃度700倍に点滴調剤、患者死亡 京大病院が医療ミス

高濃度のセレンを投与された患者が亡くなった医療ミスを謝罪する京大医学部付属病院の稲垣暢也院長(中央)ら=3日午後2時ごろ・京都市左京区、同病院

 京都大医学部付属病院は3日、外来通院していた60代の女性患者が死亡し、自宅での点滴用に投与していたセレンが血中から高濃度で検出されたと発表した。同病院は高濃度のセレンの投与について過失を認め、記者会見で稲垣暢也院長が、患者や遺族らに対して「心からおわびする」と陳謝した。今後、死亡との関連を調べるという。

 セレンは体内にある微量元素で、欠乏するとさまざまな症状が出る。同病院によると、女性は病院が調製したセレン製剤を輸液に混ぜて自宅で点滴していた。9月26日夕、女性はセレン製剤の入った輸液を点滴したとみられ、夜になって背中に痛みが生じた。27日朝に同病院を受診し、コンピューター断層撮影(CT)などを行ったが病変を疑わせる所見はなかった。容体が急変して救命措置を行ったが、同日午前に院内で亡くなった。

 死後、女性の血中からは高濃度のセレンを検出。同病院が女性に投与したセレン製剤の濃度は、処方箋通りに作った場合の約700倍だった。

 同病院では25日に、セレン製剤を処方された別の男性患者から、輸液と混ぜると変色したという連絡を受けていた。しかし女性が来院した時には原因を調査中で、セレン製剤が高濃度という事実は判明していなかった。このセレン製剤を処方された患者は2人という。

 セレン製剤は医薬品として販売されておらず、同病院薬剤部が2人体制で調製していた。同病院は京都府警や厚生労働省に届け出るとともに、今後、調査委員会を立ち上げ、調製工程や管理方法を検証して再発防止策を講じるという。

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