20日に開幕する「第20回YOSAKOIさせぼ祭り」。節目の年に市内の2チームが再結成する。"家族的雰囲気"で見る人を幸せにする「一風堂」は「20年目もこのチームで盛り上げたい」と再結集。若さが武器の「新羅(しんら)」は「この仲間との踊りが忘れられない」と県内外から集まって完全復活。「史上最大の元気祭り」へ弾みをつける。
「もっと動きを大きく」 佐世保市内の公民館。「一風堂」の振り付けなど全てを取り仕切る副代表の林彰子さん(46)のげきが飛ぶ。練習の合間、走り回る子どもたちにも「危ない。今は何の時間ね」と遠慮なく叱る。自分の子も人の子も関係なくチーム全体で育てる方針だ。
2001年に知り合い同士で結成した。メンバー募集はせず、仲間でつながった全員が「家族」のような存在だ。男性がふんどし姿で踊る様子は"代名詞"となるなど有名チームになった。
しかし子どもの成長とともに塾や習い事が忙しくなり、07年に解散。別のチームで続けるメンバーもいたが「やっぱり一風堂で踊りたい」と復活を望む声が高まった。
無理をせず節目の年に楽しもうと、第15回祭りで再結成した。20年目も「やっぱり出らんばやろ」というチーム内外からの声で再びステージへ。今回もふんどし踊りは健在。メンバーが「とにかく温かい」と口をそろえる絆の深さで、見る人の心も躍らせる。
◇ ◇ 「新羅」はいろいろなチームで踊っていた遊び仲間が集まり、11年に結成した。大学生など若者が中心で、卒業を機に県外へ出るメンバーも多く13年に解散。「新羅での踊りが忘れられない」と再結成を待ち望む声が高まり、4年ぶりに完全復活する。中心メンバーは中学生から20代前半。若い力で祭りを熱く盛り上げる。
全力で楽しもうと、今年のテーマはシンプルに「祭り」。ヒップホップダンスの要素も取り入れた、ほかのチームにない振り付けが見どころだ。関東や関西に住む結成当時の15人も集結。52人でファイナル進出へと意気込む。
代表の吉津菜々美さん(27)は「よさこいは『大人の青春』。開催中は感極まってメンバーはずっと泣いている。たくさんの人に出会うことができ、感動の涙を流せるものは、ほかにない」と魅力を語った。
20年目。それぞれの思いを胸に、佐世保の町を舞い踊る。