日鉄住金物産、三井物産から商権400万トン譲り受け

取扱数量、年2000万トン超へ、三井から150~200人移籍

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 日鉄住金物産は、三井物産から売上高3700億円、取扱数量400万トン相当の鉄鋼製品事業の譲渡を受けることで合意した。2018年4月1日付で譲渡し、翌2日付で三井物産が日鉄住金物産に追加出資(議決権所有割合を11・01%から20・04%に拡大)し、三井物産の連結対象会社(持ち分法適用会社)とする。

樋渡社長/収益押し上げ年70億円/「経常益400億円規模に」

 日鉄住金物産の16年度の鉄鋼事業本部の売上高は1兆4484億円だった。これに3700億円が加わると単純合算で鉄鋼事業の売上高は約1兆8200億円に拡大。今期は鋼材単価が上昇しており、鉄鋼事業で2兆円を超える売上高になりそうだ。

 鉄鋼商社トップクラスのメタルワンなどは建材事業を外出ししている(エムエム建材)ため単純比較はできないが、売上高2兆円レベルで肩を並べる格好になる。

 三井物産から日鉄住金物産へ譲渡されるのは約400万トン。これに日鉄住金物産の単体ベースの取扱数量1400万トン、海外のコイルセンターなどグループ会社の取扱数量(およそ300万トン)を加えると、一部グループ内重複はあるものの2100万トンに達する規模となり「鉄鋼流通のSCM(サプライチェーン)整流化の中で、ある役割を果たせる規模になる」(同社首脳)との認識だ。

 商権移管は三井物産スチール(MBS)からとなり、商権とともに人員が移籍(異動)する。150~200人程度の移籍になり、新たな部組織などが作られることになりそうだ。

 日鉄住金物産は400万トンに対して600億円の対価を支払うが、そのメリットは年70億円程度を見込む。

 4日会見した樋渡健治社長は「鉄鋼の商売は利益率が1%程度であり、3700億円の売上げから生じる利益は約30億円。これに海外における三井物産グループのSCM活用や三井物産の顧客基盤活用などシナジー効果を『30億円プラスα』見込んでおり、今後3~5年で70億円の収益押し上げがある」とした上で「330億円の経常利益(17年度見通し)に70億円を上乗せすれば400億円になる」と語った。

 また樋渡社長は、三井物産がすでに建材事業をメタルワンと統合してエムエム建材としている点について「今のところ、エムエム建材と連携するようなことは考えていない」と述べた。

 一方で三井物産は日鉄住金物産を連結対象とし、経常益400億円(純利益ベースで280億円程度)に応じた持ち分法利益を取り込む。日鉄住金物産の配当性向は3割程度となっており、単体(キャッシュフロー経営)の観点では配当収入増が見込めることになる。