今季は荒木、阿部、鳥谷が達成 来季2000安打の期待かかる選手は?

今季開幕前の時点で、2000本安打打者は通算47人。今季は、5人の選手がこの大記録をクリアする可能性があった。1年で5人の2000本安打達成者が出れば、衣笠祥雄、福本豊、山崎裕之、藤田平の4人が達成した1983年を抜いて最多となるはずだった。

阪神・鳥谷敬【写真:Getty Images】

今季は荒木雅博、阿部慎之助、鳥谷敬が達成で通算50人に

 今季開幕前の時点で、2000本安打打者は通算47人。今季は、5人の選手がこの大記録をクリアする可能性があった。1年で5人の2000本安打達成者が出れば、衣笠祥雄、福本豊、山崎裕之、藤田平の4人が達成した1983年を抜いて最多となるはずだった。しかし、2000本安打達成者は3人にとどまった。

 今季開幕時点で、2000本安打の可能性があったのは以下の5人。

荒木雅博(中)1961本、残39本
福浦和也(ロ)1932本、残68本
阿部慎之助(巨)1917本、残83本
内川聖一(ソ)1896本、残104本
鳥谷敬(神)1872本、残128本

 このうち今季、2000本安打をクリアしたのは3人だった。3人の10月5日時点での通算安打数は以下。

荒木雅博(中)2023安打、6月3日達成
阿部慎之助(巨)2036安打、8月13日達成
鳥谷敬(神)2015安打、9月8日達成

 福浦と内川は大台突破が成らなかった。

内川聖一(ソ)今季76安打、通算1972安打、残28本
福浦和也(ロ)今季30安打、通算1962安打、残38本

 8月4日に35歳になった内川は5人の中では最も若く、2016年も169安打を打っている。右打者としてはNPB史上3位の.310という通算打率の持ち主でもあり、2000本安打は確実と見られたが、6月3日に首を痛めて登録抹消。6月27日に復帰したが、今度は7月26日に左手親指付け根の剥離骨折で登録抹消。合わせて3か月近いのブランクを余儀なくされた。しかし9月30日に復帰すると2試合連続安打。安打製造機の健在ぶりをアピールした。来季の大台突破は間違いないところだ。

巨人・村田も残り135安打に

 福浦は今年12月14日には42歳になる。今季の現役では中日・岩瀬仁紀、ロッテ・井口資仁に次ぐ高齢選手で楽天・松井稼頭央と同学年。全盛期には首位打者に輝き、ベストナイン1回、一塁守備の名手としてゴールデングラブも3回獲得しているが、2009年を最後に規定打席に達しなくなり、ここ6年は主として代打で出場していた。2015年中に1900安打に達したが、出場機会が少ないだけに安打数はなかなか伸びなかった。しかし今季は昨年の20安打を上回る30安打を記録。残り38安打まで迫った。42歳で挑む来季の達成が期待される。42歳で2000本安打を記録すれば、2013年の谷繁元信(42歳5か月)、2015年の和田一浩(42歳11か月)に次いで3人目となる。

 ソフトバンク、ロッテともにあと2試合を残している。ともに選手登録されているため、2人はさらに安打数を積み上げる可能性がある。来季、2000本安打到達が期待できるのは、上記2人を含めて3人。

内川聖一(ソ)1972安打、残28本
福浦和也(ロ)1962安打、残38本
村田修一(巨)1865安打、残135本

 村田が大台突破すれば、松坂世代では唯一の「名球会」入りとなる。2000本安打は、打者にとっては最高の栄誉の一つだ。少し気が早いが、彼らの来季の活躍に期待しよう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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