母チンパンジーも「産休」 京大発表、雄の子殺し逃れか

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タンザニアの森で1カ月群れを離れた後、戻って子育てする野生チンパンジーの母子(中村准教授提供) 

 野生チンパンジーの雌は出産時に群れから離れる「産休」を取る傾向があることが、京都大理学研究科の西江仁徳研究員や中村美知夫准教授らのグループの調査で分かった。雄による子殺しから逃れるための戦略だとも考えられるという。米科学誌で6日発表した。

 野生チンパンジーは不定期に群れから離れて行動する習慣があることが知られている。研究者の間では、出産前後の雌はその傾向が特に顕著になるといわれていたが、実証はされていなかった。

 グループは、中央アフリカのタンザニア・マハレで行われた過去21年分の観察研究のデータを詳しく解析した。その結果、確認できた94件の出産のうち9割以上の89件で雌は群れから離れていた。期間は平均約23日で、約半年も群れを不在にしたケースもあった。

 チンパンジーをはじめライオンやネズミ、イルカなどの哺乳類では、生まれたばかりの子を雄が殺してしまう事例が確認されている。雄が血縁のない子を殺して雌の排卵の再開を早めさせ、繁殖上の利益を得るためなどと考えられている。西江研究員は「チンパンジーは群れから離れて出産することで、子殺しのリスクを減らしている可能性がある」と話している。

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